2種類の食塩水を混ぜる計算ができるようになれば、食塩水はほとんどマスターしたも同然(どうぜん)です。なぜならば、3種類以上(3回以上)混ぜる場合も、結局は2種類を混ぜることのくり返しに過(す)ぎないからです。
いろいろな計算方法がありますが、僕の経験上(けいけんじょう)、小学生が一番分かりやすいのが『てんびん算』です。この方法は汎用性(はんようせい)が高く、直感的(ちょっかんてき)で、計算が楽です。
サピックスでは『面積図』を利用することが多いですが、僕としては『てんびん算』を強くお勧めします。また食塩水の問題をご両親が教える時に方程式を使ってはいけません。
【例題】
12%の食塩水300gと5%の食塩水▭gを混ぜると、9%の食塩水ができます。▭を求めなさい。
例題を使って、てんびん算のやり方を見ていきましょう。
まずは次のような図を書きます。
てんびんは本来、以下のような形でしょうが、こんな風に書く必要はありません。上のようにシンプルに書いてください。
この図に例題の数値(すうち)を書き入れていきましょう。
左右の丸の上に、混ぜる前の食塩水の濃度を書き入れます。本来は左右どちらに書いてもいいのですが、濃度の低い方を左にする癖(くせ)をつけると間違えにくいと思います。
次に、混ぜた後の食塩水の濃度を三角の上に書き入れます。出来上がった食塩水の濃度は、必ず混ぜる前の2種類の食塩水の間の濃度になります。例えば1%の食塩水と5%の食塩水を混ぜたら、必ず1%から5%の間の濃度の食塩水が出来上がるということです。1%と5%を混ぜて、10%の食塩水ができるなどということはありません。
次に丸の中に、食塩水の重さを書き入れます。12%の食塩水は300gですね。求めたい数字は▭のまま書き入れます。この例題では5%の食塩水の重さが問われているので、そこを▭にします。
次に、濃度間の距離(きょり)を書き入れます。この図では赤で書いている所です。9%と5%の間は4%離れているので、④と書きます。12%と9%は3%離れているので、③と書きます。
ここに書くのは『濃度間の距離』なのであって、『濃度そのもの』ではないことに気をつけて下さい。つまり、左右の5%と12%をそのまま書くと間違いになります。
この距離の比を逆比にしたものが、丸の中に書いてある重さの比になります。これはてこの計算で、モーメントを求める場合と同じ計算ですが、物理の苦手な生徒は特に気にしなくても大丈夫です。
濃度間の距離の比を逆比にして、丸の下に書き入れます。この図では青で書いている所です。
④が300gで、③が▭gと分かったので、あとは計算するだけです。
④=300g
①=300÷4=75g
③=225g(答え)
いかがだったでしょうか?
例題では混ぜる前の食塩水の重さが問われていましたが、てんびん算を使うとどこの数値を問われても簡単に解くことができます。
では次のページで、全てのパターンを練習してみましょう。
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食塩水の問題を探してたどり着きました。
ビーカーBは、濃度18%の食塩水なので、
食塩の量は102gではなく108gではないでしょうか。
(1)の答えは、13%ではないかと思います。
ご指摘ありがとうございます。
『等量交換』『やりとり』のPage12の最初の問題ですね。申し訳ありません。ご指摘の通り、サイトの答えが間違っていました。
訂正しておきました。ありがとうございました。
よくわかりましたこういうのをたくさん投稿してくれると嬉しいです