まずは以下の3つの関係式を使いこなせるようになりましょう。3つとも迷わずに使えることが大切です。
本当に理解しているというのは、「理屈(りくつ)として証明できる」に加えて、「直感的(ちょっかんてき)にイメージ出来ている」ということです。
上の式を全て覚えることは難しいと感じる人もいると思います。そのような人は下の図を見てください。
どこかしら見覚えがありませんか?
そう、この速さの問題で出てくる図と同じですね。Page1で、『割合の問題は速さの問題と共通点がある』と書きましたが、このことです。
『き』は距離、『は』は速さ、『じ』は時間です。距離が道のりになったり、速さがスピードになったりするかもしれませんが、ほとんどの生徒がこれに似た図を見たことがあると思います。
生徒から教えてもらったのですが、この速さに関する図は『木の下のはげおやじ』と覚えると良いのだそうです。僕が子供の頃は『はじき』と覚えていましたが、『木の下のはげおやじ』の方が、ずっといいですね。インパクトがあるし、位置まではっきり分かる!
割合に関する図の方は『部長のメガネ全部割る』と覚えています。いまいちな覚え方ですが、インパクトはありますよね。この図を覚えていれば、部分が割られる方であること、全体と割合をかけること、などで迷うことがなくなると思います。
では練習問題を解いてみましょう。
(1) このページの最初の「全体・部分・割合の関係式」のどれに入れればよいでしょうか?
全校生徒は全体ですね。4割というのは割合です。つまり全体と割合が分かっていて、部分が分かっていない問題なので、①を使うといいですね。
「全体×割合=部分」→全体に割合をかけると、部分が求められるというものです。
4割というのは歩合(10割を全体とするもの)ですが、1を全体とする割合で表すと0.4ですね。
$$400×0.4=160$$
答えは160人です。
(2) 15%と225個とは何を表している数字なのでしょうか?15%とは割合(百分率)ですね。225個は数は大きいですが、部分ですね。
つまり割合と部分が分かっていて、全体が分かっていない状態なので、全体が答えになるような②の式を使えばいいですね。
「部分÷割合=全体」→部分を割合で割ると全体が出てくるというものです。
$$225÷0.15=1500$$
答えは1500個です。
(3) まずは「全体・部分・割合の関係式」のどれを使うか考えましょう。体重60kgは全体、脂肪6.6kgは部分ですね。であれば、割合が答えになるような③を使えばよいです。
「部分÷全体=割合」→部分を全体で割ると割合が出せるというものです。
これは割る数と割られる数を逆にしがちな計算です。なんとなく割りやすそうな方で割る癖(くせ)がついているような生徒は要注意です。しっかり理解してください。
$$6.6÷60=0.11$$
答えは11%です。
(4) 売り上げや利益が出てくる計算を損益算と言います。損益算も割合の問題なんですね。売り上げはお客さんからもらったお金全体のことです。そのうちの一部が利益(りえき=もうけ)になるんですね。
というわけで売り上げの340万円は全体、5%はもちろん割合(百分率)なので、分かっていないのは部分です。5%というのは百分率なので、割合に直すと0.05になります。
全体に割合をかけると部分が求められます。
$$340万×0.05=17万$$
答えは17万円です。17ではなく、17万なので気をつけてください。170000でもいいです。17と書いた生徒はバツです。
(5) 全体が▭になっていますね。4分の1が割合です。塾に通っていない生徒225人が部分ですね。
部分を割合で割ると全体が出ます。割合の4分の1は、小数の0.25で計算してもいいですが、分数のままの方が楽です。
$$225÷\frac {1}{4}=225×4=900$$
答えは900人です。 世の中には色々な学校があり、全校生徒が1000人を超えるような学校もあれば、10人もいないような学校があります。人数が多すぎるから間違いと感じた生徒は注意してください。
(6) 東京から新大阪までの560kmが道のりの全体ですね。名古屋までの350kmは部分になります。全体と部分が分かっていて、割合を求める問題です。
部分を全体で割ると割合が求められます。
350÷560=0.625
0.625は1を全体としたときの割合なので、これを百分率に直します。
0.625×100=62.5
答えは62.5%です。%を求める場合には、このように小数第3位くらいまで筆算する場合があります。その後100をかけた時には、小数部分が減りますね。だから、筆算中になかなか答えが出ないから間違いだとするのは早計(そうけい)です。
ちなみに560kmと350kmというのは、問題の都合で使用した数字なので、正確な道のりではありません。
(1) 160
(2) 1500
(3) 11
(4) 17万
(5) 900
(6) 62.5
数値と文言を変えた問題です。上の問題が解けなかった生徒は、この復習問題も解いてください。解説は割愛します。
(1) 312
(2) 170
(3) 35
(4) 13000
(5) 200
(6) 4
ここまでは「割合」が分かっているかを確認するページでした。「全体・部分・割合の関係式」を使いこなせるようになったでしょうか?
次のページからは実際に食塩水の話になりますが、実はこのページで学んだことと同じです。
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食塩水の問題を探してたどり着きました。
ビーカーBは、濃度18%の食塩水なので、
食塩の量は102gではなく108gではないでしょうか。
(1)の答えは、13%ではないかと思います。
ご指摘ありがとうございます。
『等量交換』『やりとり』のPage12の最初の問題ですね。申し訳ありません。ご指摘の通り、サイトの答えが間違っていました。
訂正しておきました。ありがとうございました。
よくわかりましたこういうのをたくさん投稿してくれると嬉しいです