食塩水の問題(中学受験の算数)

食塩水の3つの要素【解説】

食塩水の問題では、3つの要素(ようそ)、つまり「食塩水・食塩・濃度」が出てきます。そしてこの3つの要素はお互(たが)いに関係しています。その関係式は以下のようになります。

この【食塩水・食塩・濃度の関係式】は前ページで出てきた【全体・部分・割合の関係式】と完全に同じです。確認してみましょう。

同じであると確認できましたか?

では改めて【食塩水・食塩・濃度の関係式】を見てみましょう。この①、②、③の式は同じことを言っている式です。ですから、どの式を使っても結果は同じになります。

どの式も「食塩水」「食塩」「濃度%」の3つの要素が入っていますね。この3つの要素のうち、2つが分かれば、残り1つが求められるという式です。3つの要素のうちのわからないものを▭として、分かっている2つの数字を式に入れるだけで、全て解くことができます。

この3つの式が覚えにくいと感じる生徒は、以下の図も参考にしてみて下さい。


例題

では例題を解いてみましょう。

150gの食塩水があります。濃度は20%です。食塩は何gでしょうか?

 

まずは基本式①で解いてみましょう。

『食塩水に濃度を掛けると食塩が求められる』ことをイメージできるでしょうか?全体に割合をかけると部分になるのと同じです。

濃度は%で表しますが、計算するときは割合で表す必要があります。%は百分率と呼ばれるもので、『全体を100として部分を表すもの』です。計算するときはこの%ではなく、割合を使わねばならないのですが、割合は『全体を1として部分を表すもの』なので、%を割合に直す時には100分の1にする必要があるんですね。

というわけで、20%を割合で表すと0.2になります。

$$150×0.2=▭$$

答えは30gです。

 

つぎは基本式②で解いてみましょう。

これはイメージしにくいですが、基本式①の逆ですね。『食塩を濃度で割ると食塩水全体が求められる』というものです。部分を割合で割ると全体が求められるのと同じです。

$$▭÷0.2=150$$

このように分からないところを▭にして考えることに慣れると便利です。

$$150×0.2=▭  (←▭を含む式を逆算します)$$

$$▭=30$$

答えは同じく30gです。

 

最後に基本式③で解いてみましょう。

これは直感的に捉えやすいと思います。『食塩を食塩水で割ると濃度%が出てくる』という式です。部分を全体で割ると割合が出てくるというのと同じです。

$$▭÷150=0.2$$

$$150×0.2=▭(←割り算を逆算します)$$

$$▭=30$$

答えはもちろん30gです。

 

以上3つの基本式にあてはめて解きましたが、一番楽なのは①ですね。この問題では求めるのが食塩だったので、食塩が=の右側にある基本式①を使えば、逆算する必要がないからです。


基本式を使いこなす

例題で見たように、食塩水の3つの要素のうち2つの要素が分かっていれば、基本式のどれを使っても、残り1つの要素を求めることができます

基本式3つを使いこなせている場合は、答えが▭になるようなものを3つの中から選ぶのがよいです。これは暗記すると言うよりも、式の意味をイメージできるかどうかが重要です。

基本式が3つも覚えられないと言う場合は、汎用性(はんようせい)の点から、基本式③を覚えるのがオススメです。分からない要素を▭にして、基本式③に数値を入れ、逆算するだけです。

逆算がわからない方はこちらへどうぞ。


「1つだけの食塩水の問題(=食塩水を混ぜない問題)」は、このページに書いてあることだけで全て解けます。

では次のページで練習問題を解いてみましょう。

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ryuju

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  • 食塩水の問題を探してたどり着きました。
    ビーカーBは、濃度18%の食塩水なので、
    食塩の量は102gではなく108gではないでしょうか。

    (1)の答えは、13%ではないかと思います。

    • ご指摘ありがとうございます。

      『等量交換』『やりとり』のPage12の最初の問題ですね。申し訳ありません。ご指摘の通り、サイトの答えが間違っていました。

      訂正しておきました。ありがとうございました。