2種類の食塩水を混ぜる問題は、いろいろな解き方がありますが、てんびん算で解くのがオススメです。てんびん算の計算方法は前のページにまとめてあります。
2種類の食塩水を混ぜる問題では、混ぜる前の2種類の食塩水と混ぜた後の食塩水に関して、どの重さ・濃度を問われても全ててんびん算で解くことができます。このページではいろいろな部分を問う練習問題で、計算方法を確認していきます。
解答はページ下部にあります。
(1) まずは問題文に出てくる数値をてんびん算の図に書き入れます。分からない所(求める数値)は、▭にして書き入れます。
こんな感じになりますね。出来上がる食塩水の濃度は必ず真ん中です。
次に、『濃度の距離の比』か『重さの比』のどちらかが分かっているはずなので、それを書き入れましょう。
重さは左右両方揃っているので、比が出ます。210gと90gなので、7:3ですね。図では青で書いてある部分です。
次に、この7:3を逆比にして、上(てんびんの腕の部分)に書き入れます。
この場合、5%と12%の間の距離である7%が⑦になっているので、比がそのまま%にできます。
▭=5%-3%の2%
(2) てんびん算のやり方はいつも同じです。これがてんびん算のよさでもあります。まずは図に、問題文に記載されている数値を書き入れます。
こうですね。今回は、混ぜた後の出来上がった食塩水の濃度を求める問題なので、そこを▭にしておきます。
次に、『濃度の距離の比』か『重さの比』のどちらかが分かっているはずなので、それを書き入れます。
ここでは『重さの比』が分かっていますね。250gと100gなので5:2です。図では青で書きました。
ここで気を付けなければならないのが、「濃度が2%と9%なので2:9じゃん!」と勘違いしてしまうことです。『濃度の距離の比』とは、真ん中の濃度と左右の濃度がどれだけ離れているかの比のことです。この問題では真ん中の濃度が出ていないので、『濃度の距離の比』は出すことができません。
次に、重さの比を逆比にして、上(てんびんの腕の部分)に書き入れます。
この場合、②と⑤を足した⑦が2%と9%の間の距離ということになります。
つまり⑦が7%にあたるので、①がそのまま1%になりますね。したがって、▭は4%になります。
(3) まずは問題文を読んで、てんびん算の図に分かっている数値を書きましょう。求めたい値は▭にしておきます。
こうですね。重さの比が分かっているので、比を書き入れます。
重さが120gと60gなので、2:1ですね。青で書いた比です。
次にこれを逆比にして上に書き入れます。これは赤で書いた比です。
これで7%と10%の間の距離が①、10%と▭%の間の距離が②だと分かりました。
①が3%なので、②は6%ですね。この6%というのは、▭のことではなく、10%と▭%の間の距離のことなので、注意してください。
したがって▭は16%です。
(4) 最初にてんびん算の図の中に、問題文で与えられている数値を書き入れます。分からない部分(答えになる部分)は▭のまま、書き入れます。
こんな風になります。今回は濃度が揃っていて、重さが分かっていないパターンの問題ですね。したがって、『濃度間の距離の比』を先に求めていきます。
5%と8%の間は3%、8%と17%の間は9%ですね。3:9なので、1:3です。
次に、この1:3を逆比にして、重さの方に書き入れます。
こうなりますね。これで①が170gと分かりました。▭は③なので、170×3=510gになります。
(5) 問題文に書いてある数値を、てんびん算の図の中に書き入れます。
こうなります。これまでと違い、右側の丸の中(15%の食塩水の重さ)が分かりませんし、問われてもいません。その代わりに、出来上がった食塩水の重さを答えなければなりません。答える数値を▭にして、図に書き入れることが大切です。
この問題では濃度が全て揃っているので、次に濃度間の距離を書き入れていきます。
1%と4%の間が3、4%と15%の間が11なので、3:11ですね。これは約分できないので、そのまま比にします。
次に、この3:11という比を、逆比にして、下に移動します。
これで⑪が121gと分かりました。
121÷11=11なので、①は11ですね。したがって③は33です。
この③は右側の15%の食塩水の重さです。
求める▭の重さは、2種類の食塩水を混ぜてできた重さなので、121+33=154gですね。
(6) これまで通り、てんびん算の図を書いていきます。問題文から埋められる数値を埋めていきます。
この問題は濃度の比が3つ揃っていますね。その代わり、左側(5%の食塩水)の重さが分かっていません。
まずは濃度間の距離の比を書き込んでいきましょう。
5%と10%の間が5%、10%と20%の間が10%ですね。したがって1:2になります。これが濃度間の距離の比になります。赤字で書いてある所です。
次にこの1:2を逆比にして、重さの所の書き込みます。
左の5%の食塩水の重さは②、右の20%の食塩水の重さは①となりました。出来上がった10%の食塩水は、これらを混ぜたものですから③になるはずです。したがって
③=111g
①=37g
▭=37g
となります。
(1) 2
(2) 4
(3) 16
(4) 510
(5) 154
(6) 37
数値と文言を変えた問題です。上の問題が解けなかった生徒は、この復習問題も解いてください。解説は割愛します。
(1) 7
(2) 13
(3) 4
(4) 330
(5) 400
(6) 121
いかがだったでしょうか?てんびん算は、使い方をマスターすれば、2種類の食塩水を混ぜる問題の全てに対応できます。
食塩水の問題が苦手な生徒は、少しだけ我慢してやり方を覚えてみてください。きっと食塩水が大得意になるはずです。
次のページでは、食塩水に水や食塩を加える問題を考えます。これもてんびん算で同じように解けます。
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食塩水の問題を探してたどり着きました。
ビーカーBは、濃度18%の食塩水なので、
食塩の量は102gではなく108gではないでしょうか。
(1)の答えは、13%ではないかと思います。
ご指摘ありがとうございます。
『等量交換』『やりとり』のPage12の最初の問題ですね。申し訳ありません。ご指摘の通り、サイトの答えが間違っていました。
訂正しておきました。ありがとうございました。
よくわかりましたこういうのをたくさん投稿してくれると嬉しいです