2種類の食塩水を混ぜる問題のバリエーションとして、
があります。
これらは正直に解くと面倒です。ですが、これらもちょっとしたコツを覚えるだけで、前のページの問題同様に、てんびん算で一発で解けます。
(1) 水は0%の食塩水と考える
(2) 食塩は100%の食塩水と考える
(3) 蒸発させた水と最後に残った食塩水を混ぜると、もとの食塩水になる
たったこれだけです。(3)は少し分かりにくいかもしれませんが、具体的に問題を解きながら、やり方を確認していきましょう。
(1) これまで通り、てんびん算の図に、問題文から読み取れる数値を書き入れていきます。その際に、水は0%の食塩水として考えます。
こうすると、これまでと全く同じ手順で解けることが分かるでしょう。
重さが揃っているので、重さの比を書き入れます。
こうですね。この11:5の比を逆比にして、上(てんびんの腕の部分)に書き入れます。
そうすると、0%から16%までの距離は、⑤+⑪の⑯ということになります。
⑯=16%なので、①=1%です。
▭=5%が答えになります。
(2) てんびん算の図を書いて、問題文に書いてある数値を、正しい箇所に書き入れます。
食塩は100%の食塩水と考えることに注意してください。てんびんの左側には濃度の低い方の食塩水、右側には濃度の高い食塩水(食塩)を書く癖をつけるとよいです。
この段階で、食塩水の重さの比が出せますね。濃度も揃っているように思えますが、できあがった食塩水の濃度がわからないので、『濃度の間の距離』を出すことはできません。
240gと20gなので12:1ですね。図ではこれを青で書いてあります。
この12:1を逆比にして、上に書き入れます。これが食塩水の濃度間の距離の比になります。
9%と100%の間は91%離れていますが、これが⑬だと分かりました。
⑬=91%
①=7%
したがって▭は16%です。
(3) これまでと何も変わりません。水は0%の食塩水と考えるんでしたね。
分かっている数字をてんびん算の図に書き入れましょう。答えになる部分は、もちろん数値が分かっていないので、▭にしておきましょう。
これは食塩水の濃度が全て揃っているので、濃度と濃度の間の距離も出すことができます。その距離の比を出していきましょう。
こうなります。簡単ですね。
濃度間が4%と8%なので、比は1:2となります。
今度はこれを逆比にして、重さの所に書き入れます。
ここまできたらもう解けますね。
①が170gだと分かったので、▭は340gです。
(4) まずはてんびん算の図を書いて、問題文から読み取れる数値を書き入れていきましょう。その際に、食塩は100%の食塩水と考えるんでしたね。
これは食塩水(と食塩)の濃度が3つ揃っています。ですから、食塩水の濃度間の距離の比を出すことができます。
16%と20%の間が4%、20%と100%の間が80%です。ですから、4:80=1:20ですね。
この1:20の比を逆比にして、下部の食塩水(と食塩)の重さの部分に書き入れます。
⑳が320gと分かりました。
①=320÷20=16gが答えです。
(5) この『水を蒸発させる』問題は、少し難しく感じるかもしれません。
ページ上部で、この問題を解くコツとして、『蒸発させた水と最後に残った食塩水を混ぜると、もとの食塩水になる』と書きました。
もう少し噛み砕いて説明してみましょう。
食塩水から水を蒸発させるというのは、上の図のようなことが起きているということになります。ということは、これを逆にしても成り立つはずですね。
つまり、残った食塩水と蒸発させた水を混ぜると、元々あった食塩水ができるはずです。これならば、食塩水に水を混ぜる問題と同じなので、これまで通りに解けるはずです。
この考え方にしたがって、てんびん算の図を書いてみましょう。
現実的には、一番濃度の低い水(0%)を左、一番濃度の低いもの(21%)を右、濃度が中間のもの(6%)を真ん中に書くだけです。
左から順に濃度の低いものを書く、と覚えておくだけで、迷わず解くことができます。今回は問題に出てくるのが、0%と6%と21%なので、それを左から順に書くだけですね。そしてそれに対応する重さをその下に書くわけです。
この先は、これまで通りのてんびん算です。
濃度が全て分かっているので、濃度の間の距離を書き、その比を書きました。
この2:5を逆比にして、左右の重さの所に書き込みます。
これで左右の食塩水(と水)が⑤と②になりました。
真ん中の1330gは、この⑤と②の合計なので
⑦=1330g
①=190g
⑤=950gとなります。
【別解】
この問題を正直に解くこともできます。オススメは圧倒的にてんびん算ですが、普通の解き方を理解するのも悪くないです。
もとの食塩水は6%の1330gなので、ここに含まれる食塩は1330×0.06=79.8gです。
水を蒸発させても食塩の量は変わらないはずなので、21%の食塩水に含まれる食塩も79.8gのはずです。
したがって、食塩(部分)を濃度(割合)で割ると全体が出るので、79.8÷0.21=380gが、21%の食塩水の重さになります。
1330-380=950g
これが蒸発させた水の量になります。
(6) (5)と同様に解いていきましょう。出来上がった食塩水と、蒸発させた水を混ぜると、もともとの食塩水になるという考え方です。
こうなりますね。これが書けてしまえばもう解けたも同然です。
この問題に関しては、左右の重さが揃っていますね。この比を書き込みます。
320:200なので、8:5ですね。
次にこれを逆比にして、上(てんびんの腕の部分)に書き込みます。
これで0%と5%の間の5%が⑤と分かりました。
①=1%なので、⑧=8%です。
したがって▭=13%です。
(1) 5
(2) 16
(3) 340
(4) 16
(5) 950
(6) 13
いかがだったでしょうか?
てんびん算は2種類の食塩水を混ぜる問題だけでなく、『水を加える』『食塩を加える』『水を蒸発させる』という問題全てに対応できるということが、分かって頂けたと思います。
全てが同じ方法で解けるということが、大きなメリットです。各問題ごとに解法を覚えるのは効率が悪く、直感的でも本質的でもありません。
次のページからは応用問題です。
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食塩水の問題を探してたどり着きました。
ビーカーBは、濃度18%の食塩水なので、
食塩の量は102gではなく108gではないでしょうか。
(1)の答えは、13%ではないかと思います。
ご指摘ありがとうございます。
『等量交換』『やりとり』のPage12の最初の問題ですね。申し訳ありません。ご指摘の通り、サイトの答えが間違っていました。
訂正しておきました。ありがとうございました。
よくわかりましたこういうのをたくさん投稿してくれると嬉しいです