この辺りからは応用です。応用というのは難しいという意味ではなく、これまでの内容を本当に理解していれば、新しい考え方を導入しなくても解けるという意味です。
サピックスのテキストでは『食塩水の混合』『混ぜて、混ぜる』『じわじわ薄める』という名前で紹介されている問題です。
まずは実際に問題を解いてみましょう。
この問題はこれまでの内容が理解できていれば、簡単に解けるはずです。前ページまでと同様にまずは問題条件を整理して、てんびん算の図に書き込んでみましょう。
具体的な重さは分かっていませんが、重さの比は分かっていますね。これだけで充分です。
『重さの比は支点からの距離の比と逆比になる』ということをしっかり覚えていますか?では5:2を逆比にして、てんびんの腕の部分に書き込んでみましょう。
これで5%と19%の間の距離の14%が⑦だと分かりました。
⑦=14%
①=2%
②=4%
▭=5+4=9%(答え)
これまで学んだことを組み合わせただけの問題ですね。まずは(1)でやったように、食塩水を比で混ぜます。てんびん算の図を書いてみましょう。濃度%は低い方を左に書くようにしましょう。逆でもできますが、いつも同じやり方にした方が間違えにくいです。
重さの比が3:2なので、逆比にして、支点(真ん中の三角)から左右までの距離の比にします。
これで4%と14%の間の10%が、②と③の和である⑤だと分かりましたね。
⑤=10%
①=2%
②=4%
▭=4+4=8%
これで第一の手順が終わりました。8%の食塩水ができたということですね。
ここで状況を整理してみましょう。第一の手順でできた8%の食塩水に、17%の食塩水を40g加えたら、10%の食塩水が▭gできた、という問題です。これをもう一度てんびん算の図にまとめてみましょう。
こうしてまとめてしまえば、これまでの『2種類の食塩水を混ぜる』問題と変わりませんね。濃度%の間の距離の比を出します。
この2:7を逆比にしたものが、左右の食塩水の重さの比になるんでしたね。
これによって②=40gと分かります。
①=20g
⑦=140g
この140gは8%の食塩水の重さです。
問題で答えなければならないのは、できあがった10%の食塩水の重さです。左右の食塩水を混ぜてできるのが10%の食塩水なので、その重さは140+40=180gです。
ヒントがなさすぎてどうしていいかとまどうかもしれません。こういうときはまず食塩水の濃度や成分がどのように変化していくかをまとめてみましょう。
最初の状態では何も分かっていません。濃度も食塩水の量も食塩の量も何も分かりませんね。仕方ないので、10秒後と20秒後の状態に注目します。
5%の食塩水(10秒後)に水を50g入れたところ3%の食塩水になったんですね。これを今度はてんびん算の図に書いてみましょう。水は0%の食塩水として考える、濃度は低い順に左から書くんでしたね。
このように書ければ、このページまでをしっかり勉強している生徒は、解けるはずです。
濃度間の距離の比が3:2なので、両側の食塩水の重さの比は2:3になります。②が50gだと分かったので、③は75gですね。
つまり5%の食塩水は75gだったわけです。こうして分かったことを最初に書いたまとめの図に書き加えていきましょう。
ここからどんどん書き加えることができますね。水を加えるだけの問題なので、食塩の量はずっと変わっていないことに注意してください。
ここまで書ければ、あとは▭を求めるだけですね。食塩水と食塩が分かっている状態なので簡単ですね。
3.75÷25=0.15
これは割合なので、百分率にするために100を掛けて
0.15×100=15%(答え)
(1) 9
(2) 180
(3)15%
いかがだったでしょうか?難しくなってきましたね。ですが、新しいやり方は出てきていません。大切なのはまず状況を整理して、着目するポイントを絞り込むことです。
次のページも応用問題が続きます。
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食塩水の問題を探してたどり着きました。
ビーカーBは、濃度18%の食塩水なので、
食塩の量は102gではなく108gではないでしょうか。
(1)の答えは、13%ではないかと思います。
ご指摘ありがとうございます。
『等量交換』『やりとり』のPage12の最初の問題ですね。申し訳ありません。ご指摘の通り、サイトの答えが間違っていました。
訂正しておきました。ありがとうございました。
よくわかりましたこういうのをたくさん投稿してくれると嬉しいです