文章題対策(小学生の算数・中学受験)

目次

文章題のきらいな子どもたちへ

文章題が苦手でも、逃げることはできない

文章の長い問題はきらいだよね。でもやらずにすませることはできないんだよ。

文章題の大問(だいもん)は(3)〜(5)までの小問(しょうもん)に分かれていることが多いよね。小問の1つ1つが2点から6点くらいだよね。1つも解かないままでは、何点ソンすることになる?

大問1つを全部とばしちゃったら、むつかしい中学校は合格できないよ。

長い文章題は実はかんたん、最低限(1)は解く

むつかしそうに見える文章題も、お父さんやお母さんに説明(せつめい)してもらうと、「ああ、そうか。かんたんじゃん!」と言って、すぐに解けるんだよね。じつは、長い文章が付いている問題ほどむずかしくないんだよ。

特に、小問の(1)はとてもかんたんなことが多いよ。どんなテストでも(1)は解きましょう。

逆に最後の小問は、正答率(せいとうりつ)が5%を下回ることも多いので、あとまわしにしてもかまいません。テストを最後までやって、時間があまれば、戻ってきて解けばいいよ。

難関中学では見たことのない問題しか出ない

君たちはたぶん、有名な『頭のいい』中学校に行きたいと思っていると思う。都内なら開成や麻布とかね。そういう難関(なんかん)中学では、塾でやったことのある問題は出ないと思っていい

出たとしても、みんな知ってる問題はみんな解けるよね。だから初めて見た問題がとけるかどうか、つまり「自分で考える」「考えたことが正しいのかその場でたしかめる」ことができるかどうかが合否(ごうひ)を分けるんだよ。それが『頭がいい』っていう意味だからね。

すごくむつかしい中学でなくても、『普通くらい』の中学でも何問かは初めて見る問題だと思うよ。それを解けるかどうかが大事なんだよ。

ご両親へ

国語の読解力は全ての勉強の基本

長い文章題の文意を理解するには読解力が必要です。理系科目の勉強にかたよっている生徒は、文系科目の勉強の時間を増やしましょう。勉強時間が国語1:算数9くらいになっている生徒は意外と多いです。

国語と算数の配点はどの学校でも同じなのに、算数にかたよっている生徒が意外なほどに多いことが、僕には不思議でなりません。国語はなかなか伸びる実感が得にくかったり、精神年齢が点数に関係しているというのは事実ですが、基本的にはやらねば上がりませんし、やれば上がります。

国語が苦手でないのに文章題ができない場合

国語の成績が算数に比べて悪くない、本を読むのも好き、長い文章でも嫌じゃない、それなのに算数の文章題が解けないという生徒の場合、単純に文章題を解いた経験が少ないだけです。

塾では先生から洗練された解き方を教わります。そして短い時間で解くために、その洗練された解き方を守るように指導されます。

それはもちろん悪いことではないのですが、結果として、初めて見る問題でも「どうせ僕のやり方は遠回りだから先生の良いやり方をまず聞こう」「やり方を覚えればいいや」という姿勢につながることにもなります。

たくさん勉強をしているつもりでも「自分で文章題を読み解いた経験」が不足しているんですね。「無理やりでもいいから自力で解け!」「まず図を書け!」「全部書き出せ!」「正解していれば何でもいい!」と僕は良く言います。洗練されたやり方を練り上げたり、自分の解き方が論理的に正しいかを検証するのは、まず取り組んでみた後です。

とにかくやってみる

文章題が解けない生徒の特徴は、少し読んだだけで、「もう無理!」と思って、手が止まってしまうことです。

大切のは試行錯誤です。試行とは「試してみること・やってみること」です。錯誤とは「間違うこと」です。これを英語ではトライ・アンド・エラーと言います。間違えても良いので、とにかく書き出したり、図に書いたり、色々とやってみることです。

そうすると、少しずつ方向性が見えてきます。どう解けばよいか自然と分かってくるんですね。

どうも子供は「先生はもともと解き方が分かっている」と思い込んでいるようです。塾の先生は洗練された解き方を用意して授業をしますから、いつも塾の授業を聞いている生徒はそう思ってしまうのかもしれません。

家庭教師の僕は、当日その場で「この問題を教えてください」と言われることが常なので、初見の問題は一緒に考えながら解きます。僕は「先生だって、初めてみる問題はどう解けば分からないんだよ。でも手探りで色々やってみるうちに何とかなるんだ」と言います。

ある程度考えて解けなかったら諦める

いつまでも考える癖をつけてはいけません。「東大生の特徴は『こだわり』と『わりきり』である」と昔聞いた記憶があります。家庭学習でも、テスト本番でも、適当な所で切り上げることが重要です。どれだけ時間をかけて考えても答えにたどり着かない場合がよくあります。それは正解にたどりつくための基本的な知識が欠けていたり、方向性が最初から間違っている場合です。

問題の内容にもよりますが、5分〜10分ほど本気で取り組んで解けなければ、すっぱり諦めて、解説を見るか、教えてもらいましょう。

まとめ

  • 国語的な読解力は最低限必要
  • 初見の読解問題を多く解く
  • とにかくやってみる(図を書く・式にする・全部書き出す)
  • 5〜10分本気で考えて解けなければ諦める

ありきたりの結論ですが、週に1度(本気で考えるのは10分程度)と設定すれば、初見の文章題を解く練習をするハードルもそれほど高くないのではないでしょうか。

実際に取り組むことが何より大切なので、以降のページで、文章題を掲載していきます(順次更新予定)。

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