計算が苦手だというご相談はよく受けます。すべてのご相談の中で一番多いかもしれません。それだけ悩んでいる生徒とご両親が多いということであり、また簡単に解決できない問題でもあります。
計算でよく間違える子供に対して、『丁寧に筆算しなさい』『筆算を綺麗に書きなさい』とご両親が口を酸っぱくして指導することがあります。しかしそれで計算が得意になることはまずありません。むしろ逆効果になることが多いです。なぜでしょうか。
ではどうしたらよいのか。端的に言うと2点です。「ガミガミ言わない」「できるだけ筆算しない」です。もちろん放っておけばよいということではありません。
多くの生徒を指導する中で、僕は以下のことに気がつきました。
もちろんある程度以上複雑なものは筆算するしかありませんが、筆算を省ける領域を広げれば広げるほど計算が得意になり、算数そのものも得意になります。
筆算をしなくてもよい基準は以下のものになります。筆算を習いたての生徒は筆算の練習を積む必要がありますが、難関校を目指す4年生以上は以下の基準を守ってみてください。
上記の教材は、①九九、②3桁までの足し算・引き算、③筆算の基本、④逆算(虫食い算)の基本、⑤分数・小数の基本ができている人向けです。その辺りができない生徒は、公文・そろばんに行くのが一番手取り早いです。あるいは基本のドリルをやりこんで下さい。
ここまでできれば、暗算で出来る領域を独自にさらに広げていけるはずです。塾で教えられる計算の工夫を避けている生徒も取り入れられるようになるはずです。面倒な計算を地道に解いているうちは上達しません。
19×19までの計算の本は流行りましたね。ああいった計算方や3.14の暗記などを必要ないという方もいますが、中学受験ではほんの少しでも楽に計算できる方法は、面倒くさがらずに出来る限り取り入れるべきです。例えば3.14の計算などは何千回も解きますし、それが数秒早くできるようになれば、どれほど勉強が捗り、どれほどテストで有利になるでしょうか。他の計算についても同じです。
ただし最初は必ず計算ミスが増えます。それを3ヶ月我慢してみてください。
以下のような本を買ってもよいですし、工夫できる計算は塾でもインターネットでも紹介されています。1つ1つ取り組んで、取り組むことをお勧めします。計算が上手になると、思考力問題も得意になるものですから、ぜひお試しください。