計算が苦手だというご相談はよく受けます。すべてのご相談の中で一番多いかもしれません。それだけ悩んでいる生徒とご両親が多いということであり、また簡単に解決できない問題でもあります。
計算で間違いの多い子供に対して、ご両親が『丁寧に筆算しなさい』『筆算を綺麗に書きなさい』と口を酸っぱくして指導することがあります。しかしそれで計算が得意になることはまずありません。むしろ逆効果になることが多いです。なぜでしょうか。
ではどうしたらよいのか。端的に言うと2点です。「ガミガミ言わない」「できるだけ筆算しない」です。
多くの生徒を指導する中で、僕は以下のことに気がつきました。
もちろんある程度以上複雑なものは筆算するしかありませんが、筆算を省ける領域を広げれば広げるほど計算が得意になり、算数そのものも得意になります。
筆算をしなくてもよい基準は以下のものになります。難関校を目指す4年生以上は以下の基準を守ってみてください。もちろん正しい筆算の方法を身に付けていることが大前提になります。
上記の教材に一通り取り組めば、計算に対する意識が大きく変わるはずです。そしてその後さらに、独自に工夫して、より楽に計算できる領域を広げていけるはずです。計算の工夫を避けて、面倒な計算を「とにかく丁寧に」の一心で解いているうちは、算数は面白くないですし、上達しません。
19×19までの計算の本は流行りましたね。ああいった計算方や3.14の暗記などを必要ないという方もいますが、中学受験ではほんの少しでも楽に計算できる方法は、面倒くさがらずに取り入れるべきです。例えば3.14の計算などは何千回も解きますし、それが数秒早くできるようになれば、どれほど勉強が捗り、どれほどテストで有利になるでしょうか。
ただし最初は必ず計算ミスが増えます。それを3ヶ月我慢してみてください。
以下のような本を買ってもよいですし、工夫できる計算は塾でもインターネットでも紹介されています。1つ1つ取り組んで、取り組むことをお勧めします。計算が上手になると、思考力問題も得意になりますから、ぜひお試しください。