英語がとことん苦手な生徒向けの教材の紹介です。
実際に指導に使用した時の様子に関してもシェアします。
中1英語をひとつひとつわかりやすく。(監修 山田暢彦・Gakken)
評価 ★★★★★(85/100)
中学1年生・英語を超基礎からやりたい人向け
難易度 ★☆☆☆☆(極めて平易)
長所 『徹底的に分かりやすい』『絵や図がキャッチー』『問題が超簡単』
短所 『簡単すぎるかも』『情報量が少ない』
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僕は英語が全く分からないという中学2年生の生徒を教えていました。中堅私立中学に通う彼は、英語の授業がちんぷんかんぷんで、単語テストはいつも0点、定期テストの選択問題は全て(1)を選択するという強者?でした。
極端に苦手科目がある生徒には徹底的に簡単なものからやらせるのが良いです。勉強のできない生徒は心が折れてしまっているので、難しいものを課されると、「またこのパターンか」と最初から頭と心が拒否してしまいます。遠回りに感じても、絶対に理解できる簡単すぎるくらいの教材から始めるのがいいでしょう。
ところが世の中には『猿でも分かる』とか『0から始める』などと標榜する書籍が多く出回ってはいるのですが、いざ中を開いてみると、苦手な人にとってはちんぷんかんぷんのものも多いですんですよね。そうした参考書に出会うと、「全然分かりやすくないじゃん!」「僕は猿以下なのか!?」と見放された感覚に陥るものです。
その点、この『中1英語をひとつひとつわかりやすく』は大丈夫です。本当に簡単です。
上記の通り、非常にキャッチーなレイアウトです。そしてこの情報量の少なさ(笑)これがいいんです。例えば、このページには、「英文には主語と動詞が必ずある」ということしか書いてありません。
そして極め付きはこのイラストと解説。
東大英語などを教えることが多いので、初めてこれを見た時にはカルチャーショックを受けたのですが、しばらくこの参考書を読んでみて、出来ない生徒のことをよく分かっている著者だなと感心しました。
英語が苦手な生徒は『そもそも国文法もできない』んですよね。言語を分析的に考える習慣がないんです。そういった生徒には文法用語を徹底的に説明しなければなりません。
基本的に解説が左ページ、問題が右ページにあるのですが、上の解説に対応する練習問題がこれ。英単語には全て意味が付してあります。問題も超簡単。これができない中学1年生はいないでしょう。
当然少しずつ難しくなっていきますが、どこまでも親切でキャッチーな解説が続きます。
収録されている項目はこんな感じ(クリックで拡大します)。またCDが付いています。
これだけ丁寧に説明しているので、当然情報量は一般的な参考書よりも少なめになります。文法の例外に属するようなものや、生徒に混乱を引き起こしそうな内容は除外しています。
それでも出来ない生徒はこれから初めて損はないはずです。まずは「分かる」という感覚を身につけること。本当に真面目に取り組めば、この参考書はすぐに終わるので、その上でもう少し難しいものに取り組めばいいのです。その時には、少し余裕を持って英語に接することができるようになっていると思います。
このシリーズは各学年用に準備されています。いくつかを実際に使ってみましたが、中1のものと全く同じ使用感です。とことん平易でキャッチーなので、おすすめです。
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