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(1) ① 60人 ② 40分
(2) ① 70人 ② 6か所
こういった問題を解けないのは『解く手順が決まっていないから』です。手順を暗記するだけで、やっていることの意味を理解していないのは良くないのですが、ニュートン算の場合、決まった解き方を与えてあげないと、何から手をつけて良いか分からなくなってしまいます。
僕は【ニュートン算の基本図】と【条件のまとめ】という2つの作業を基本にして、計算を進めていくように指導しています。
まずは下のような図を書きましょう。これを【ニュートン算の基本図】と呼ぶことにします。
このようにニュートン算にはかならず「入ってくるもの」「行列(たまっていくもの)」「出ていくもの」という3つの要素があります。
「入ってくるもの」は、この問題のように人かもしれませんし、ポンプから入ってくる水かもしれません。あるいは工場のベルトコンベアから流れてくるおもちゃかもしれません。
「たまっているもの」は、この問題のように行列に並んでいる人かもしれませんし、池にたまっている水かもしれません。
「出ていくもの」は、この問題のようにゲート(入園口)から遊園地に入っていく人(行列からは出ていくことになります)かもしれません。あるいはポンプでくみ出される水であったりします。
では問題文を読んで、この図を書いてみましょう。
ここで注意です。図に数字を書きこむときにはかならず単位をつけるようにしましょう。上図の『人 / 分』は『1分あたり何人』という意味で、『にん まい ふん』と読みます。
この問題では、ゲート1つで毎分何人減っていくのかわからないので、 ▭ 人 / 分としておきます。このようにわからない所を ▭ にしておくことも大切です。
次に問題文を読んで【条件のまとめ】を書いてみましょう。
ここでいう条件とは「もし〜だとしたら、・・・になる」とか「〜の場合、・・・になる」というようなものです。この問題では「入場ゲートが1か所ならば100分で行列がなくなる」の部分ですね。
したがって以下が【条件のまとめ】になります。
ですから、ここまででノートは以下のような感じになっているとよいでしょう。
ここまでが準備です。この準備は問題文を読んで、決まった作業をするだけです。ここまでできれば、もう解けたようなものです。
毎分20人が行列に新しく並んでいるにもかかわらず、行列の人数が毎分40人減っていっているということは
$$40+20=60人$$
ゲートから毎分60人出ていっていることになります。「1分間で、60人出ていっているけれども、20人入ってきているので、差し引き40人減っている」ということがわかるでしょうか。①の答えは60人ですね。
こうして新しくわかったことがあれば、それを図に戻すことが大切です。新しいわかったことを青で書き入れると、下のようになりますね。
上の図は特別くわしく書いているのではありません。生徒が実際に解く時も、ノートや問題の余白にこのように書くようにしましょう。ぐちゃぐちゃに数字だけ並んでいることのないように!テストでも書くんですよ!
僕はゲート1つで1分間に通過させられる人数を『ゲートのパワー』と呼んでいます。
②の問題は、ゲートが2つのときにどうなるのか、という話なので、次のように書いてみます。
これでゲートのパワーは2倍なので、毎分120人ずつ出ていきます。一方で毎分20人ずつ入ってくることは変わらないので、差し引き1分で100人ずつ減っていくことになりますね。
$$60×2=120人/分$$
$$120-20=100人/分$$
4000人いる行列から毎分100人ずつ減っていくので、全員がいなくなるのに40分かかりますね。
$$4000÷100=40分$$
②の答えは40分です。
この問題をよくみてみると①までは(1)と完全に同じですね。
ニュートン算というのは、かならず「ふえるもの・たまっているもの・出ていくもの」という3つの値を求めなければなりません。
それが僕が【ニュートン算の基本図】を書くように勧める理由です。この問題も【ニュートン算の基本図】を書くことから始めましょう。
どんなに難しい問題で、「解き方が分からない!」と感じたとしても、ここまでは書けますね。
次に【条件のまとめ】を書くようにします。ここでいう『条件』とは「もし〜だとしたら、・・・になる」とか「〜の場合、・・・になる」というようなものです。この問題では「入場ゲートが1か所ならば72分で行列がなくなる」のところですね。
$$3600÷72=50人/分$$このように、1分間で50人の割合で、行列から人が減っていることがわかります。
ここまででノートは以下のようになっているはずです。
ここで50人 / 分(にん・まい・ふん)というのは、行列に並んでいる人が1分間で50人ずつ減っていくという意味です。ということは
$$50+20=70人/分$$
ゲートから毎分70人出ていっていることになります。「1分間で、70人出ていっているけれども、20人入ってきているので、差し引き50人ずつ減っている」ということがわかるでしょうか。したがって①の答えは70人ですね。
さて、これで『ゲート1つのパワー』が70人/分と分かりました。
次に、②を解くために、これまでの図に書きたして下図のようにしてみましょう。書きたした所は青字にしてあります。
最初に3600人いた行列が9分でいなくなるようにしたいのですから、1分間に400人ずつ減っていかねばならないですね。
$$3600÷9=400人/分$$
ですが、これはゲート(出口)から出ていく人数が毎分400人という意味ではありません。「ゲートから出ていく人数」と「新しく行列に並ぶ人数」の差が、400人になるということです。したがってゲート1個のパワーは70人/分ですから
$$(70× ▭ )−20=400人/分$$
という式が成り立ちます。 ▭ はゲートの数です。
あるいは「毎分20人ずつ入ってくるのだから、行列から毎分400人ずつ減っていくためには、毎分420人出ていかねばならない」と考えてもいいでしょう。
$$420÷70=6$$
②の答えは6か所です。
最後の計算の部分は自由に書いてよいと思います。大切なのは【ニュートン算の基本図】と【条件のまとめ】の部分をしっかり書くことです。もちろん「そんなもの書かなくても余裕で解けるぜ!」という生徒は書かなくてもかまいません。他の難しい問題に時間を使いましょう。
上の問題が解けなかった生徒は、解説をよく理解した上で、下の数値替え問題にチャレンジしてみましょう。解説は割愛します。解答は下にあります。
(1) ① 72人 ② 8分
(2) ① 74人 ② 7か所
(1) ① 75人 ② 2分30秒
(2) ① 70人 ② 7か所
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