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ニュートン算(中学受験の算数)

Page4. 入出量が分からない問題

  • 難易度★★
  • 入ってくる量と出ていく量の両方が分かっていない問題です。
  • 方程式を使ってはいけません。
  • このページには3枚のプリントが含まれます。

 

  

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問題 ①

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解答 ①

(1) ① 35人 ② 10分

(2) ① 20L ② 6分40秒

 

解説 ①

**ご両親へ** ニュートン算は「数値のやり取りの意味を理解する」ことと同時に「クリアに定式化された解法」が必要になります。理解と技の両方が必要ということですね。その意味で、慣れるまでは【ニュートン算の基本図】【条件のまとめ】をしっかり書くことをお勧めします。また方程式を使って教えるのはお勧めしません

(1)

僕の生徒が書いたノートをせます。

このようにければよいでしょう。では順番じゅんばん説明せつめいしていきます。

前のページ『入場にゅうじょうゲート』で説明したように、まずは【ニュートン算の基本図きほんずを書いてみましょう。「何をしていいのか分からない」「問題の意味いみが分からない」という生徒せいとは、この図を書くことからはじめてください。問題が整理せいりされて、分かりやすくなります。

簡単かんたんですね。える人を○、出ていく人(行列ぎょうれつから出て遊園地ゆうえんちに入っていく人)を□としています。□はゲート1かしょから1分で出ていく人数です。

次に条件じょうけんのまとめ】を書きましょう。ここでいう『条件』とは「もし〜だとしたら、・・・になる」とか「〜の場合ばあい、・・・になる」というようなものです。

この問題では条件じょうけんが2つありますね。「入場にゅうじょうゲートが1つの場合、80分後に行列がなくなる」「入場ゲートが3つの場合、24分後に行列がなくなる」の2つです。

1つ目の条件じょうけんでは、2400人たまっていた行列が80分でなくなるのですから、2400÷80=30人/分となります。行列にならんでいる人数が1分で30人ずつっていくという意味です。

同じように、2つ目の条件じょうけんでは、2400÷24=100人/分となります。行列にならんでいる人数が1分で100人ずつっていくんですね。

 ここまでで、ノートは下のようになっているといいでしょう。

ここまでは問題文に書いてあることをまとめるだけです。かたが分からなくても、「これは無理むり!」とすぐにあきらめるのではなく、ここまではなんとか進めてみることが大切です。

さて、ここからは少し工夫くふうが必要になります。

2400人が80分でいなくなるということは、1分で30人ずつ行列ぎょうれつならんでいる人数にんずうっているということですね。これはゲートを通る人数が毎分30人という意味いみではありません。ゲートを通って出ていく人数と入ってくる人数の差が30人ということです。

つまりこのような式が成り立ちます。

$$□ − ○ =30$$

このとき、行列の人数はっているのですから、入ってくる人数より出ていく人数が多いはずなので、□から○を引く必要ひつようがあります。ぎゃくにしないように気を付けましょう。

同じように、ゲートが3つの場合ばあいも、このように式にあらわすことができます。

$$□ + □ + □ − ○ =100$$

このことを下のようにまとめることができます。

2つの式のを考えると、□の2つ分が70になることが分かります。したがって

$$□ = 35人/分$$

これで□のあたいが分かりました。そして□の値が分かれば○も分かります。

□ – ○ = 30という式の 、□のところに35を入れて

$$35 − ○ = 30$$

$$○ = 5$$

これでニュートン算のかなめ(大切な所)である、「入ってくるりょう」「出ていく量」「たまっている量(行列ぎょうれつ)」の全部ぜんぶが分かったことになります。こうなってしまえば、もう簡単かんたんです。分かったことを図にまとめておきましょう。

①の問題はもうわっていますね。答えは35人/分です。

②の問題にりかかりましょう。【基本図】をしっかり書いて、○と□が出ていれば、簡単かんたんけます。

ゲートは7つになるのですから、ゲートを通る人数は、1分間に245人になるはずです。

$$35 × 7 = 245人/分$$

しかし毎分5人のペースで新しく行列ぎょうれつならぶ人がいますから、実際じっさいに行列からっていく人数は、き毎分240人になります。

$$245 − 5 = 240人/分$$

毎分240人ずつ行列がっていくので、最初に2400人いた行列は10分でなくなります。

$$2400 ÷ 240 =10分$$

したがって答えは10分です。

最終的さいしゅうてきに、上にせたようなノートが書ければよいでしょう。

 

(2)

行列ぎょうれつ入場にゅうじょうゲートの問題でも、水槽すいそうとポンプの問題でも、やることはわりません。(1)と同じようにいてみましょう。

まずは【ニュートン算の基本図】【条件のまとめ】を書くようにしましょう。最終的さいしゅうてきに下のようなノートが書けていればいいですね。

 

 

上の図を見て理解りかいできる人は、解説かいせつ必要ひつようないですね。図を書かなくてもける人は省略しょうりゃくしてもかまいませんが、計算式けいさんしき丸暗記まるあんきすることのないように気を付けましょう。

では1つずつ説明せつめいしていきます。まずは【ニュートン算の基本図きほんずを書きましょう。

 

問題文に書いてあることをそのまままとめるだけですね。□はポンプ1台で1分に排出はいしゅつできるりょう(出ていく量)をあらわしています。

次に条件じょうけんのまとめ】を書きます。

1つ目の条件じょうけんを見てみましょう。たまっていた水3600Lが30分でなくなるということは、毎分120Lずつっていくということですね。これはポンプ2台から120L出ていくという意味ではありません。ポンプ2台から出ていく水と、入ってくる水のが120Lという意味いみです。

同じように、2つ目の条件じょうけんを見てみましょう。たまっていた水3600Lが9分でなくなるので、毎分400Lずつっていることになりますね。ポンプ6台から出ていく水と、入ってくる水のが400Lという意味いみです。

1分間で入ってくる水を○、ポンプ1台から1分間で出ていく水を□としたので

このようにあらわすことができます。(1)の問題とちがって、□の数が多くなってしまうので、かけ算であらわしています。

いわゆる「消去算しょうきょざん」をすれば、□4ぶんが280Lにあたると分かります。

$$280÷4=70$$

ポンプ1台のパワーは70L/分ということになります。ポンプ1台で、1分間に、70Lの水をくみ出せるという意味いみです。

□が70と分かれば、□×2-○=120の式の、□のところに70を入れて

$$70×2-○=120$$

逆算ぎゃくさんをして

$$○=20$$

入ってくるりょう20L、出ていく量がポンプ1台あたり70Lと分かりました。ここまでで正解せいかいまったようなものです。というのも、ニュートン算の3要素ようそ大切たいせつなポイント)である「入ってくる量」「出ていく量」「たまっている量」の全部ぜんぶが分かったからです。

②の問題をきましょう。

ポンプ8台を使うので

$$70×8=560L/分$$

これはポンプ8台から1分間に出ていく量です。これとはべつに1分間に20Lが入ってきているので

$$560-20=540L/分$$

きして、1分間に540Lが、たまっていた水からっていくことになります。

$$3600÷540=\frac {3600}{540}=\frac {20}{3}=6分40秒$$

この問題のようにびょうまできかれる時は、答えが分数になるときです。こういう秒をきかれたときの分数の分母は、3か5になる場合ばあいが多いです。

 

問題 ②(数値替え問題1)

上の問題がけなかった生徒は、解説かいせつをよく理解りかいした上で、下の数値すうちえ問題にチャレンジしてみましょう。解説は割愛かつあいします。解答は下にあります。

 

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解答 ②

(1) ① 70人 ② 1分48秒

(2) ① 15L ② 46分40秒

 

問題 ③(数値替え問題2)

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解答 ③

(1) ① 40人 ② 5分36秒

(2) ① 15L ② 25分40秒

 


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