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ニュートン算(中学受験の算数)

Page3.  入場ゲートの問題

  • 難易度★★
  • ニュートン算の「入ってくる量」「出ていく量」「在庫(行列)」の3つの要素のうち、「出ていく量」が分からないものです。
  • 方程式を使ってはいけません。
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問題 ①

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解答 ①

(1) ① 60人 ② 40分

(2) ① 70人 ② 6か所

 

解説 ①

こういった問題を解けないのは『解く手順が決まっていないから』です。手順を暗記するだけで、やっていることの意味を理解していないのは良くないのですが、ニュートン算の場合、決まった解き方を与えてあげないと、何から手をつけて良いか分からなくなってしまいます。

僕は【ニュートン算の基本図】【条件のまとめ】という2つの作業を基本にして、計算を進めていくように指導しています。

(1)

まずは下のような図を書きましょう。これを【ニュートン算の基本図きほんずと呼ぶことにします。

このようにニュートン算にはかならず「入ってくるもの」「行列ぎょうれつ(たまっていくもの)」「出ていくもの」という3つの要素ようそがあります

「入ってくるもの」は、この問題のように人かもしれませんし、ポンプから入ってくる水かもしれません。あるいは工場のベルトコンベアから流れてくるおもちゃかもしれません。

「たまっているもの」は、この問題のように行列に並んでいる人かもしれませんし、池にたまっている水かもしれません。

「出ていくもの」は、この問題のようにゲート(入園口)から遊園地に入っていく人(行列からは出ていくことになります)かもしれません。あるいはポンプでくみ出される水であったりします。

では問題文を読んで、この図を書いてみましょう。

ここで注意ちゅういです。図に数字を書きこむときにはかならず単位たんいをつけるようにしましょう上図じょうずの『人 / 分』は『1分あたり何人』という意味いみで、『にん まい ふん』と読みます。

この問題もんだいでは、ゲート1つで毎分何人っていくのかわからないので、 ▭ 人 / 分としておきます。このようにわからない所を ▭ にしておくことも大切たいせつです。

次に問題文を読んで条件じょうけんのまとめ】を書いてみましょう。

ここでいう条件とは「もし〜だとしたら、・・・になる」とか「〜の場合、・・・になる」というようなものです。この問題では「入場ゲートが1か所ならば100分で行列がなくなる」の部分ですね。

したがって以下が【条件のまとめ】になります。

ですから、ここまででノートは以下いかのようなかんじになっているとよいでしょう。

ここまでが準備じゅんびです。この準備は問題文を読んで、まった作業さぎょうをするだけです。ここまでできれば、もうけたようなものです。

毎分まいふん20人が行列ぎょうれつに新しくならんでいるにもかかわらず、行列の人数が毎分40人っていっているということは

$$40+20=60人$$

ゲートから毎分60人出ていっていることになります。「1分間で、60人出ていっているけれども、20人入ってきているので、差し引きさしひき40人減っている」ということがわかるでしょうか。①の答えは60人ですね。

こうして新しくわかったことがあれば、それを図にもどすことが大切たいせつです。新しいわかったことを青で書き入れると、下のようになりますね。

上の図は特別とくべつくわしく書いているのではありません。生徒せいと実際じっさいく時も、ノートや問題もんだい余白よはくにこのように書くようにしましょう。ぐちゃぐちゃに数字だけ並んでいることのないように!テストでも書くんですよ!

僕はゲート1つで1分間に通過つうかさせられる人数を『ゲートのパワー』と呼んでいます。

②の問題は、ゲートが2つのときにどうなるのか、という話なので、次のように書いてみます。

これでゲートのパワーは2倍なので、毎分120人ずつ出ていきます。一方で毎分20人ずつ入ってくることは変わらないので、差し引きさしひき1分で100人ずつ減っていくことになりますね。

$$60×2=120人/分$$

$$120-20=100人/分$$

4000人いる行列から毎分100人ずつ減っていくので、全員ぜんいんがいなくなるのに40分かかりますね。

$$4000÷100=40分$$

②の答えは40分です。

 

(2)

この問題をよくみてみると①までは(1)と完全に同じですね。

ニュートン算というのは、かならず「ふえるもの・たまっているもの・出ていくもの」という3つのあたいもとめなければなりません。

それが僕が【ニュートン算の基本図きほんずを書くようにすすめる理由りゆうです。この問題も【ニュートン算の基本図】を書くことからはじめましょう。

どんなにむずかしい問題で、「き方が分からない!」と感じたとしても、ここまでは書けますね。

次に条件じょうけんのまとめ】を書くようにします。ここでいう『条件じょうけん』とは「もし〜だとしたら、・・・になる」とか「〜の場合、・・・になる」というようなものです。この問題では「入場ゲートが1か所ならば72分で行列ぎょうれつがなくなる」のところですね。

$$3600÷72=50人/分$$このように、1分間で50人の割合わりあいで、行列から人がっていることがわかります。

ここまででノートは以下いかのようになっているはずです。

ここで50人 / 分(にん・まい・ふん)というのは、行列ぎょうれつならんでいる人が1分間で50人ずつっていくという意味いみです。ということは

$$50+20=70人/分$$

ゲートから毎分まいふん70人出ていっていることになります。「1分間で、70人出ていっているけれども、20人入ってきているので、差し引き50人ずつ減っている」ということがわかるでしょうか。したがって①の答えは70人ですね。

さて、これで『ゲート1つのパワー』が70人/分にんまいふんと分かりました。

次に、②をくために、これまでの図に書きたして下図かずのようにしてみましょう。書きたした所は青字にしてあります。

最初さいしょに3600人いた行列ぎょうれつが9分でいなくなるようにしたいのですから、1分間に400人ずつっていかねばならないですね。

$$3600÷9=400人/分$$

ですが、これはゲート(出口でぐち)から出ていく人数にんずうが毎分400人という意味いみではありません。「ゲートから出ていく人数」と「新しく行列になら人数にんずう」のが、400人になるということです。したがってゲート1個のパワーは70人/分ですから

$$(70× ▭ )−20=400人/分$$

という式がり立ちます。 ▭ はゲートの数です。

あるいは「毎分20人ずつ入ってくるのだから、行列ぎょうれつから毎分400人ずつっていくためには、毎分まいふん420人出ていかねばならない」と考えてもいいでしょう。

$$420÷70=6$$

②の答えは6か所です。

最後さいごの計算の部分ぶぶんは自由に書いてよいとおもいます。大切なのは【ニュートン算の基本図きほんず】と【条件じょうけんのまとめ】の部分をしっかり書くことです。もちろん「そんなもの書かなくても余裕よゆうけるぜ!」という生徒は書かなくてもかまいません。他のむずかしい問題に時間を使つかいましょう。

 

問題 ②(数値替え問題1)

上の問題がけなかった生徒は、解説かいせつをよく理解りかいした上で、下の数値すうちえ問題にチャレンジしてみましょう。解説は割愛かつあいします。解答は下にあります。

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解答 ②

(1) ① 72人 ② 8分

(2) ① 74人 ② 7か所

 

問題 ③ (数値替え問題2)

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解答 ③

(1) ① 75人 ② 2分30秒

(2) ① 70人 ② 7か所

 


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