自作教材 算数 小4 小5 小6

文章題対策(小学生の算数・中学受験)

文章題の読み解き①(小4〜小5)

  • 初見の文章題を自分で読み解く訓練をするための教材です。
  • この問題は難関中学を目指す小学4年生、中堅中学を目指す5年生向けです。
  • 難易度★★☆☆☆(2/5)
  • いわゆる「約束算」と「場合の数」の問題に分類されます。
  • 最初からスマートな解き方をする必要はなく、試行錯誤することが大切です。
  • 全部解けなくても大丈ですが、(1)①と(2)①は解けねばなりません
  • 2019年の富士見中学の問題です。
  • 「無理やりでもいいから自力で解け!」「まず図を書け!」「全部書き出せ!」「正解していれば何でもいい!」
  • 10分本気で考えてどうしようもなければ解説を見てください。

 

問題

上記画像をPDFで閲覧・印刷する場合はこちら

 

解答

(1) ① 6通り ② 15通り

(2) ① 5通り ② 15通り

(3) 30通り

 

解説

(1)①

最初の小問は絶対に解けなければなりません。この問題のように小問が5個もある場合、最初の小問はとても簡単にできています。

サイコロを2回ふって、目の合計が7になればよいので、そのような場合を全て書き出しましょう。初見の『場合の数』の問題は全て書き出してみるのが基本です。

(1,6) (2,5) (3,4) (4,3) (5,2) (6,1)

6通りです。

さいころを1度に2個投げるわけではなく、1個ずつ2回投げて1回ごとにマスを進めるわけですから、(1,6)と(6,1)は分けて、別のものとして数えます。

 

(1)②

これも全て書き出すつもりで解きましょう。規則性が見つかり、「もう全部書く必要がない」と自信が持てるならば、書かなくても良いですが、解けない生徒は全部書くことです。

「全部書く」と言っても、注意すべきことが3つあります。

  1. 「思いつく順(じゅん)に書いてはならない」=「小さい順か大きい順に書く」
  2. 見やすいように改行(かいぎょう)する
  3. きれいに書く

この3つです。

この問題では小さい順に書いていきましょう。サイコロを3回投げて合計が7になれば良いのですから、(1,1,5)が最初になります。これで分かるように、小さい順とは書き出す数字の左側をできるだけ小さくするという意味です。

一番左が1になるパターンが5通りありますね。

(1,1,5) (1,2,4) (1,3,3) (1,4,2) (1,5,1)

真ん中の数字も小さい順になっていることに気を付けてください。次に一番左が2になるパターンはどうなるでしょう。

(2,1,4) (2,2,3) (2,3,2) (2,4,1)

この4通りですね。このように一番左が1になるパターンと、一番左が2になるパターンで改行することが大切です。

(1,1,5) (1,2,4) (1,3,3) (1,4,2) (1,5,1) (2,1,4) (2,2,3) (2,3,2) (2,4,1)

のように一列に書いてはいけません。見にくくなる、規則性がとらえにくくなる、最後に数えるときに数え間違うからです。

ではもう一度最初から全部書き出しましょう。

(1,1,5) (1,2,4) (1,3,3) (1,4,2) (1,5,1)

(2,1,4) (2,2,3) (2,3,2) (2,4,1)

(3,1,3) (3,2,2) (3,3,1)

(4,1,2) (4,2,1)

(5,1,1)

これで全部です。5+4+3+2+1=15通りです。適切(てきせつ)に改行したおかげで最後に数えやすくなっていることが分かると思います。

(2)①

2回しか投げない場合、1回目に「6」のマスに止まってスタートに戻ると、2回目に「7」のマスにゴールすることができません。

(1)①の答えは

(1,6) (2,5) (3,4) (4,3) (5,2) (6,1)

の6通りでしたが、このうち(6,1)がゴールできませんね。ですから答えは

(1,6) (2,5) (3,4) (4,3) (5,2)

5通りです。ここまではそれほど難しくありません。

 

(2)②

少し難しくなってきました。

サイコロを3回投げる時は、「6」のマスに止まらずにゴールする場合と、「6」のマスに止まってスタートに戻ってからゴールする場合に分けて考える必要があります。

このように、「〜する場合」と「〜する場合」という風に、場合を分けて考えることを「場合分け」と言います。場合分けを最初は難しいと感じるかもしれませんが、分けて考えることで問題は簡単になるんです。これは算数に限ったことではありません。

まずは「6」のマスに止まらずにゴールする場合を考えていきましょう。これは(1)②の結果を使えば良いですね。(1)②は

(1,1,5) (1,2,4) (1,3,3) (1,4,2) (1,5,1)

(2,1,4) (2,2,3) (2,3,2) (2,4,1)

(3,1,3) (3,2,2) (3,3,1)

(4,1,2) (4,2,1)

(5,1,1)

だったので、このうちで「6」のマスに止まるものを消していきます。

(1,1,5) (1,2,4) (1,3,3) (1,4,2) (1,5,1)

(2,1,4) (2,2,3) (2,3,2) (2,4,1)

(3,1,3) (3,2,2) (3,3,1)

(4,1,2) (4,2,1)

(5,1,1)

このように各行の一番右が「6」のマスに止まるものなので、消していきます。全て書き出してしっかり改行していれば、ここでも間違えにくくなりますね。残ったものが4+3+2+1=10通りです。

次に「6」のマスに止まってスタートに戻ってからゴールする場合を考えていきましょう。スタートに戻ると、その後7マス進まないとゴールできませんから、1回目で「6」のマスに戻る必要があります。つまり最初に6の目を出して、その後2回で7マス進めば良いので

(6,1,6) (6,2,5) (6,3,4) (6,4,3) (6,5,2) (6,6,1)

の5通りですね。(6,6,1)は2回スタートに戻ってしまいゴールできないので注意してください。

「6」のマスに止まらずにゴールする場合が10通り、「6」のマスに止まってスタートに戻ってからゴールする場合が5通りなので、答えは合わせて15通りです。

(3)

かなり難しくなってきましたね。難関中学を目指す6年生なら解けねばなりませんが、そうでなければとばしてもかまいません。

これも2つの場合に分けて考えます。1つ目は「8」〜「12」のマスに止まらずにゴールする場合、2つ目は「8」〜「12」のマスに止まって左に進んでからゴールする場合です。

1つ目の場合は簡単ですね。これは(1)②と同じ結果なので、15通りです。

2つ目の場合を考えていきましょう。2つ目の場合の中でも、まずは「8」のマスに止まってから1戻ってゴールする場合を考えてみると、最初の2回で8進み、最後が1戻ればよいので

(2,6,1) (3,5,1) (4,4,1) (5,3,1) (6,2,1)

の5通りありますね。

同じように「9」のマスに止まってから2戻ってゴールするのは

(3,6,2) (4,5,2) (5,4,2) (6,3,2)

の4通りです。思いつく順に書き出すのではなく、左が小さい順になるように書き出してください。またしっかり改行することも大切です。

この調子で全部書いていきましょう。

(2,6,1) (3,5,1) (4,4,1) (5,3,1) (6,2,1)

(3,6,2) (4,5,2) (5,4,2) (6,3,2)

(4,6,3) (5,5,3) (6,4,3)

(5,6,4) (6,5,4)

(6,6,5)

以上5+4+3+2+1=15通りです。

1つ目の「8」〜「12」のマスに止まらずにゴールする場合が15通り、2つ目の「8」〜「12」に止まって左に進んでからゴールする場合も15通りだったので、全部の場合は合わせて30通りです。

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