自作教材 理科 小4 小5 小6

理科のよくある質問 北はどっちか(天体)

理科の太陽や月の問題を解いている場合によくある質問として、「北ってどっち?」というものがあります。北が分からなければ、東・西・南の方角も分からないということです。

太陽や月の問題は、暗記ではなく、図を利用して理屈で解くものですが、方角が分からないと多くの問題が理解できません。例えば「上弦の月は真夜中にどちらの方角に見えるか?」というような問題が論理的に解けなくなります。結果、丸暗記でなんとかしようとする、という悪循環に陥ります。

結論=北とは北極の方角である

上の図では真ん中の白い点が北極点、赤い点を東京とします。ちなみに中学受験の理科の問題においては、地球を北極側から見たものがほとんどです。

この場合、「北は北極の方角」なので、赤の矢印の方角が北になります。普通の地図のように、図の上側が常に北とはならないことに注意してください。

北が決まると、上の図のように、他の方角も決まりますね。


他の地点から見ると北の方角は変わる

ロンドンから見た北の方角を考えてみましょう。

黄色の点をロンドンとすると、東西南北は上図に示したようになります。北を示す矢印も、東京とは全く違った方角を向いていることがわかるでしょうか?

ちなみに南は南極の方ということになりますね。また自分が北極点に立っているとすると、どちらを向いても南を向いていることになり、自分が南極点に立っているとすると、どちらを向いても北を向いていることになります。


確認問題(上弦の月の見える方角)

下の図において上弦の月は1〜4のどれでしょうか。またそれは真夜中にどの方角に見えるでしょうか。


確認問題の答え

太陽の光が当たっていない影になっている部分を書き加えると下図のようになります。

ここで地球から1の月を見ると、左側だけ光が当たって見えますね。左にだけ光が当たっているのは下弦の月と言います。

2の月を地球から見ると、太陽の光が当たっていない面しか見えないので、真っ暗ですね。これは新月です。

3の月は地球から見ると右側だけが光って見えますね。これを上弦の月と言います。元の図では左側が光っていますが、地球の方から見ると左右反転して右側だけに光が当たって見えるのが分かるでしょうか。

4の月は地球から見ると全体に光が当たっているので満月ですね。

以上より、上弦の月は3です。上弦の月が常に地球の下側に描かれているとは限りません。太陽の光が当たっている方角によって(図の書き方によって)位置が変わるので注意が必要です。

さて、この3の月を真夜中に見るとどちらの方角に見えるかという問題ですが、観測(かんそく)する人は地球上の真夜中の地点にいるわけです。つまり太陽と反対側にいるので、下の図の白い点のような場所にいると考えられます。

この白い点から見て北はどちらにあたるでしょうか。「北は北極の方角」ですから、白い点における方角は下の図のようになります。

こうして見ると、この地点から3の月を見ると、西の方角に見えるのが分かると思います。

【解答】3、西

 


まとめ

  • 北は北極の方角
  • 今いる地点によって北の方角が変わる
  • 北が分かれば他の方角も決まる
  • 太陽や月の問題は暗記せず図を利用して解く

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