- このページは中学受験の社会に頻出の『日本の経度と緯度』について記述します。
- SAPIXのマンスリー・組み分けテストに超頻出です。
- 全体としてかなり詳しく説明していますが、難しすぎると感じる生徒は『1. 全体像と基本3点』だけを覚えてください。
目次
- 全体像と基本3点
- 東経135度線の旅
- 東経140度線の旅
- 北緯35度線の旅
- 世界の北緯35度・40度
- 日本の端
- 練習問題
1. 全体像と基本3点
上の図のように、日本を通る経線・緯線で重要なのは、『東経135°』『東経140°』『北緯35°』『北緯40°』の4本になります。
そしてその4本の交点のうち、上記のA・B・Cの点についての問題が、入試でよく出題されます。サピックスのマンスリー確認テストや組み分けテストでは、4年から6年まで、問い方を少しずつ変化させながら、くどいくらいに出題されます。
A点は東経135°と北緯35°の交わる点です。これは日本標準時のまちとして有名な明石市よりも北(内陸)で、西脇市というまちにあります。明石市は東経135°ですが、北緯35°ではありません。西脇市は『日本列島の中心・へそ』をアピールしています。まちの公式ソングとして『ヘソノオノウタ』があります。
また西脇市には以下のような駅もあります。
B点は東経140°と北緯40°の交わる点です。これは分かりやすく、秋田県の八郎潟干拓地のど真ん中にあります。八郎潟は米増産のために1950年代から1970年代を中心に干拓が進められました。その後、減反政策によって米の生産が抑えられたということは、2025年に『令和の米騒動』が起こったことから、時事問題とからめて出題されやすいポイントでもあります。
C点は東経140°と北緯35°の交わる点です。千葉県の房総半島の先あたりにあります。正確には先端より少し北東の海上になるのですが、『房総半島の先っぽ』と覚えておいて問題ありません。
2. 東経135度線の旅
東経135度線の通る地点について、北から南の順に、詳しく見てみましょう。
- 北から見た時、東経135度線は最初に京都府を通ります。京都府が意外とかたむいた形であることに注意してください。
- 次に兵庫県に入り、すぐにまた京都府に入ります。
- さらに、再び兵庫県に入ります。
- 瀬戸内海に出て、すぐに淡路島の北東の先端を通過します。ちなみに淡路島は兵庫県です。
- そのまま海上に抜けて本州を通りません。
- さらに南に進み続けると、赤道付近でパプアニューギニアを通過し、南半球でオーストラリアを真っ二つに割るように縦に通過します。
細かすぎる知識だと感じられるかもしれませんが、こうしたことがSAPIXのマンスリーテストに頻出です。特に上記の赤字の所に注意してください。
3. 東経140度線の旅
東経140度線の通る地点についても、北から南の順に、詳しく見てみましょう。こちらは東経135度線に比べて長くなります。その分、出題されやすいです。下の地図の縦の真ん中の線が東経140度線です。
- 北から見た時、東経140度線は最初に北海道の渡島半島の西をわずかに通ります。
- 北海道から出て、次は青森県の西をわずかに通り、秋田県に入り、『1. 全体像と基本3点』でも説明した『東経140度・北緯40度』の八郎潟干拓地を通ります。
- その後は、山形→福島→栃木→茨城の順に通過します。福島では猪苗代湖のすぐ西を通ることに注意してください。この辺りは県境が入り組んでおり、出題されやすいです。山形が右下に長いこと、福島が横長で、6県と接していることに気を付けてください。
- 千葉に入り、いったん東京湾に出てから、もう一度上陸し、『1. 全体像と基本3点』で説明した『東経140度・北緯35度』の点を通ります。これは房総半島の先端の少しだけ北東の海上です。
- 太平洋に出てさらに進むと、伊豆諸島の東側、小笠原諸島の西側を通過します。
- さらに南に進み続けると、赤道付近でパプアニューギニアを通過し、南半球でオーストラリアを通過しますが、東経135度がオーストラリアの真ん中を通っているのに対して、東経140度線は少し東より(オーストラリア大陸を3分割する右の線くらい)になります。
東経140度線が通る所を見ていくと、日本の都道府県の形や位置関係、世界での日本の位置が掴めてきます。直接経線の問題でなくても、役に立つことが多くあるので、詳しく見ておいて損はありません。
4. 北緯35度線の旅
北緯35度線は、西から東に見ていくことにしましょう。
- 朝鮮半島の南(釜山付近)を通り、日本海を渡り、島根県に上陸します。
2. 中国地方の中では、島根県→広島県→岡山県の順に通過します。鳥取県は通りません。島根県と鳥取県は似ているイメージを持っている生徒が多いですが、島根県の形は右上から左下に傾いており、鳥取県の形はほぼ真横であることに気をつけてください。
3. 近畿では兵庫県、京都府、滋賀県を通ります。兵庫では『1. 全体像と基本3点』でも説明した、東経135度・北緯35度である西脇市を通ります(上の地図のA)。滋賀では琵琶湖の南端と大津市を通ります(上の地図のB)。
4. 東海地方では三重県、愛知県を通り、静岡県に入ります。三重県と愛知県の間では伊勢湾の北端を通ることに注意してください(上の地図のC)。
5. 静岡県では駿河湾に出て、伊豆半島の北の方で再上陸します(上の地図のD)。
6. 相模湾の沖を東に進み、房総半島の先端付近(上の地図のE)で、東経140度線と交わります。Eは『1. 全体像と基本3点』でも説明した、東経140度・北緯35度の点になります。関東では千葉県だけを通ります。
5. 世界の北緯35度・40度
日本が世界の中でどのような位置にあるのかもよく出題されます。上の地図で確認してください。青が北緯40度、緑が北緯35度になります。赤道も頻出なので書いてあります。
- 北緯40度はニューヨークや北京の高さになります。ヨーロッパでは南ヨーロッパのスペインやイタリアを通ります。ヨーロッパがいかに高緯度か、分かりますね。
- 北緯35度はアメリカでは比較的南のロサンゼルス(34度)あたりで、中東ではイラン・イラク、地中海の南を通りますが、ヨーロッパは通らず、アフリカの北をわずかに通過します。
- 赤道は3点を覚えてください。アフリカのギニア湾からビクトリア湖、東南アジアではシンガポールの少し南、南アメリカではアマゾン川の河口の少し凹んだところです。
6. 日本の端
- 日本の東端 南鳥島は孤立しており、東経153度になります。南鳥島は『東京都(小笠原村)』です。『南』と名前がついているのに、東の端です。
- 日本の西端 与那国島は台湾のすぐ近くになります。与那国島からは台湾が見えるそうです。東経122度です。
- 日本の南端 沖ノ鳥島は北緯20度です。満潮時には2つの岩がわずかに海面上に頭を出しているだけになります。その岩が波に削られないように日本は大規模な工事をして保護しています。またここが島としての条件を満たすことを主張するために、港を建設しようとしています。
- 日本の北端 択捉島は北緯45度です。いわゆる北方領土であり、ロシアに占拠されています。