文章題の読み解き②(小4〜小5)
- 初見の文章題を自分で読み解く訓練をするための教材です。
- この問題は難関中学を目指す小学4年生、中堅中学を目指す5年生向けです。
- 難易度★☆☆☆☆(1/5)
- いわゆる「規則性」と「数列」の問題に分類されます。
- 最初からスマートな解き方をする必要はなく、試行錯誤することが大切です。
- 全部解けなくても大丈ですが、(1)と(2)は解けねばなりません。
- 2019年のトキワ松中学の問題です。
- 「無理やりでもいいから自力で解け!」「まず図を書け!」「全部書き出せ!」「正解していれば何でもいい!」
- 10分本気で考えてどうしようもなければ解説を見てください。
問題
解答
(1) 15個
(2) 23番目
(3) 165個
解説
(1)
これはかんたんですね。書いていくだけです。規則性(きそくせい)の問題は、規則性に気が付くまでとにかく書いていくことです。最後まで全部書いて解いてもかまわないんですよ。
塾では「計算で解きなさい!」と言われるかもしれません。でもそれは自分で考えずに、先生に教えてもらった解き方を暗記することにつながっていませんか?それでは初めて見る問題を解けるようになりません。
まずは書くこと、そうすると規則性に気が付くかもしれません。自分で規則性に気が付けば、計算で解けるようになっていきます。
この(1)はたった5番目ですから、書くだけで解けます。
こんなふうになりますね。おはじきが何個あるかを数えて、『○番目』の下にならべて書きました。規則性や数列の問題では『○番目が△』というように並べて書くことが大切です。
おはじきの個数をならべて書いてみると、もう答えが出ていますね。15個です。
(2)
おはじきが69個と言われると、ずいぶん先まで書かないといけないですね。69個になるまで書くのは大変そうです。(1)で書いた図で何か気が付くことはないでしょうか?
「ない!」と思った生徒は、6番目、7番目と続きを書いてみましょう。すぐにあきらめずに、規則性に気が付くまで書き続けることが大切です。
規則性に気が付かない生徒は『○番目が△個』という部分に注目して、表にまとめてみましょう。
図を書かないで数字だけにすると、規則性が分かりやすくなると思います。こうやってまとめた時に、『おはじきを並べる図の問題』から『数列(すうれつ)の問題』に変わっているんですね。
さらに表をかんたんにしてみましょう。
○番目と数字だけになりました。ここまで書ければ、もうかんたんですね。上の『○番目』を3倍すると下の数字になります。あるいは、下の数字が3ずつ増えていると考えてもいいですね。
下の数字が69になればいいんですから
$$69÷3=23$$
です。答えは23ですね。
(3)
分からない場合は全部書く気持ちが大切、と何度も言いました。おはじきを並べる図を10番目まで全部書くのは大変そうですが、(2)で書いた表を⑩まで書けば、それだけで解けてしまいますね。
『全部書く』と言っても、『かんたんにまとめたものを書く』、『とちゅうをとばして書く』ようにすると、うまくいきます。
この下の数字を全部足してもいいのですが、できれば計算で解きましょう。(2)でも言いましたが、この下の数字は3ずつふえていますね。このように同じ数だけふえていく数列を等差数列(とうさすうれつ)と言います。
この等差数列を全部足すための公式は多くの人が知っていると思います。最初の数字と最後の数字を足して、何番目まであるかをかけて、2で割れば良いですね。やってみましょう。
$$(3+30)×10÷2$$
$$=33×5$$
$$=165$$
答えは165です。
くり返しになりますが、この公式を知らなければ、全部書いて全部足してもいいんですよ。自分でたくさん書いて、自分でたくさん考えて、自分でたくさんたしかめることが大切です。