このページは逆算の解き方③です。このページでは「先に済ませる計算」について説明します。
逆算(穴埋め算・虫食い算)では、実際に逆に計算していく前に、先に計算できるところがあれば済ませます。ではどういう部分が先に計算できるのでしょうか。
- □を含まないカッコの中
- ×÷が2つ以上続く所
- □を含まない項同士
こう書いてみると難しそうですね。簡単な順に説明していきます。
1. □を含まないカッコの中
【問題①】
(1×6+4)÷□=5
□を含まないカッコの中は問答無用、いつでも先に計算できます。
ですからカッコの中の部分である(1×6+4)を先に計算することができます。
順序をしっかりとノートに書くのならば
1×6+4=10なので
10÷□=5
10÷5=2(答え)
という感じになっていれば完璧です。
2. □に×÷が2つ以上つながっている所
【問題②】
□×10÷5=4
これは□に10をかけて5で割る、という計算です。
この×10÷5の部分を先に計算することができます。×10÷5は×2と同じことですね。
これも計算過程をしっかりとノートに書くならば
×10÷5→×2なので
□×2=4
4÷2=2(答え)
という感じになるでしょうか。
ではもう一問考えてみてください。
【問題③】
□÷5×10=4
これはどうでしょうか。
÷5×10の部分を先に計算できます。
5で割って10をかけるので、やはりこれも×2と同じことになります。
重要!!!
このとき『5×10=50だから、÷5×10は÷50だ』という風に考えてはいけません。
なぜなら『÷と5』はセット、『×と10』はセットなので、そのセットを崩して先に5×10をしてはいけないからです。
これは算数(数学)の本質に関わることです。数字とその前の+−×÷はセットなのだとよく理解しておきましょう。
言葉で『5で割って、そのあと10をかけるんだ』という風に考えると間違えないと思います。
ですからこの問題をしっかりとノートに書くならば
÷5×10→×2なので
□×2=4
4÷2=2(答え)
となるでしょう。もちろん、こんなに丁寧に書く必要はあまりないですが・・
最後にもう一問
【問題④】
10×□÷5=4
このような形で□の前後に×÷がつながっていても先に計算することができます。
上に書いたように、『×と□』はセット、『÷と5』はセットなので、そのセットを離さないようにすれば、順序を入れ替えてもいいんでしたね。
そうすると、この問題は10÷5×□=4と同じになります。つまり10÷5は先に計算できますね。
10÷5×□=4
10÷5=2なので
2×□=4
4÷2=2(答え)
3. □を含む項以外の部分
項は「こう」と呼びます。普通、中学で勉強する概念ですが、少し簡単にして説明します。
ここでいう項とは、『□と×÷でつながっている部分』と考えてください。
では以下の問題を考えてみましょう。
【問題⑤】
1×2+3−□÷2=1
ここでは、−□÷2が項です。(□の前の−もセットです)
するとそれ以外の部分、つまり1×2+3は先に計算できることになります。
するとノートにはこんな風に書けばいいですね。
1×2+3=5なので
5−□÷2=1
□÷2=4
4×2=8(答え)
別の例を見ていきましょう。
【問題⑥】
2×2+1+5×□=15
ここでは項を+5×□と考えます。
すると残った部分2×2+1は先に計算できるということになります。
ノートはこんな風に書くといいでしょう。
2×2+1=5なので
5+5×□=15
5×□=10
10÷5=2(答え)
さらに例を見ていきましょう。
【問題⑦】
2×3+□−4=15
この問題には□と×÷でつながっているところがありませんね。
□の前後は+と−です。
このように□に×÷がつながっていない場合には、□は単独で(それだけで)項になります。
ですから□以外の部分である2×3と−4は先に計算することができます。
最初に−4と+□は順番を変えてしまいましょう。
2×3−4+□=15
2×3−4=2なので
2+□=15
15−2=13(答え)
−4と+□の順番を変えなくても、普通の順序で逆算することで解くことができます。
2×3+□−4=15
2×3=6なので
6+□−4=15
6+□=19
19−6=13(答え)
4. 混合問題
最後にこれまでの1〜3のルールが混じった問題を解きましょう。
【問題⑧】
2×3+□×4÷2+(4+5)÷3−1=10
まずは1.で説明した「□を含まないカッコの中はいつでも先に計算できる」を使います。
(4+5)=9なので、そこを9に書き換えておきます。
2×3+□×4÷2+9÷3−1=10
次に2.で説明した「□に×÷が2つ以上つながっている所」を先に計算します。
+□×4÷2→+□×2なので、そこを書き換えます。
2×3+□×2+9÷3−1=10
最後に3.で説明した「□の項以外の部分」を先に計算します。
ここで□の項とは+□×2です。
ですから、2×3と+9÷3−1は先に計算することができます。
2×3=6、+9÷3−1→+2なので、そこを書き換えます。
6+□×2+2=10
+□×2と+2の順番を入れ替えてしまいましょう。
6+2+□×2=10
ここで6+2は先に計算できますね。「□の項以外の部分」だからです。
8+□×2=10
これで先に済ませておく計算が終わりました。
ここからが逆算です(笑)驚くほど簡単になっていますね。
10−8=2
□×2=2
2÷2=1(答え)
5. このページの問題まとめ
このページの①〜⑧の問題を画像&pdfにしました。
印刷して利用したい方はどうぞ。
⑨と⑩に力試しの問題を追加しています。
【解答】
- 2
- 2
- 2
- 2
- 8
- 2
- 13
- 1
- 1
- 2
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