この教材について.
この教材を作った動機と教材の使用方法については、教材の第1回の冒頭をご覧ください。
この教材は
- 設問に邪魔されることなく、良質な文章をたくさん読むことが大切
- 問題を解くテクニックにばかり注力する勉強では、本当の国語力はつかない
- 主旨をとらえることが国語の最終目的である
- 記述問題は毎日書くことで磨かれる
という考えのもとに作られています。とにかく1日1題やる、ということが大切です。まだ6日分しか作ってないのですが・・・
教材.
教材使用の注意点(保護者の方へ).
- 上の画像は一部なので、PDFの方から閲覧・印刷してください
- 最後の記述課題に関しては、指示された条件を満たしていれば、内容がひどくても認めてあげること
- 楽しんで本文を読ませることが大切で、細かい部分で理解不足があってもスルーすること
- 読んで終わりにせず、記述課題はある程度の字数を書かせること
- 辞書を引くことを強制しないこと(引きたい時は引かせてもよい・言葉の意味を訊かれたらグチグチ言わずすぐに答えること)
記述の評価ガイド.
- ①を選んだ場合は、「父は教育があり、元々は立派な人物だったのに、物乞いをするほどに落ちぶれたということ」「ぼくのことを心配して、プライドを捨てて物乞いをしている様子があり、そうした優しさもあって僕も父が大好きだということ」「物語の進行につれて心が折れ、プライドが失われ、様子がおかしくなってしまっている」などということが、文中の具体例を挙げて、書けていればよいでしょう。
- ②を選んだ場合は、どのような解釈も成り立つと思います。一例としては、「かきは厳しい現実世界の象徴」などと書くことができます。「プライドを捨ててでも、周りの人間に笑われてでも、食べ物は手に入れなければならない。子供にとってそうした現実社会は、恐ろしい怪物のように感じられる」「目をつぶって食べてみると、殻は硬いが、内部は柔らかく意外と柔らかく甘美なものである」「食べすぎると胸焼けするものである」などと書いてもいいでしょう。それほど立派な内容が書かれていなくても、問題条件に反していなければ十分です。
出典と読書のススメ.
出典はロシアの文豪アントン・チェーホフの『かき』です。今回は過去問からの引用ではありませんが、いわゆる世界的な文豪でありながら、子供でも読みやすい平易な文体で、短くオチのある話になっています。小学生にも「本物」を読ませたいのであれば、良い選択だと思います。
難関中学は受験問題の作成者も優れた読書家であり、格調高い文章を選んで出題しています。また大人の視点でものを考えることを要求するものが多いです。今回のストーリーにも子供はほとんど出てきませんね。そういった意味でも、優れた外国文学に親しむことは有益だと思います。
子供がこの話を少しでも気に入った様子であれば猛プッシュして、本を買って、読ませてあげるようにしてください。
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