SAPIXのGS特訓は受けるべきか
【GS特訓とは】
SAPIX6年生のGWに行われる「GS特訓」。
正式には「ゴールデンウィーク・サピックス特訓」です。
特徴をまとめると、
- 費用は4〜5万円ほど
- 志望校・レベル別にクラス分け
- 初めて本格的に過去問に触れる
- ひたすら演習中心
- 70分×3コマ(午前)+昼食+70分×3コマ(午後)
【GS特訓は大変】
SAPIXの季節講習は、正直かなり大変です。
授業数も多く、復習も重く、費用も高い。
春期・夏期・冬期講習になると、毎日のように塾があります。
とはいえ、通常カリキュラムの一部なので、
- テスト範囲になる
- 学習内容が先に進む
という事情があり、「受けない」という選択肢は基本的にありません。
しかし、6年生のGS特訓は少し性質が違います。
- マンスリーの範囲ではない
- 演習中心
- 新単元が進むわけではない
という特徴があります。
そのため、6年春の時点で学習が遅れ気味の生徒ほど、
「分からないまま演習しても意味があるのか?」
「GSに行くより、今までのテキストを復習した方がいいのでは?」
と悩むようになります。
【大前提としては受けた方が良い】
結論から言うと、SAPIXに通い続けているのであれば、基本的には受講した方が良い、と僕は考えています。
そもそもSAPIXのカリキュラムは、他塾と比較してもかなり緻密に作られています。
GS特訓も、
「必要だから、ここに配置されている」
と考えた方が自然です。
GS特訓の本当の役割
GS特訓は、
「知識を詰め込む勉強」から
「入試で戦う勉強」への橋渡し
だと思っています。
4年生〜6年春までは、
- 速さ
- 割合
- 場合の数
- 電気
- 天体
など、新しい知識や解法を次々と覚える時期です。
しかし、6年夏以降は違います。
(社会の公民以外は)ほとんど新しい内容は増えません。
算数も理科も、
「今までやったことが、少し複雑になって再登場する」
だけです。
では何が大事になるのか。
それは、
膨大な範囲からランダムに出題された問題に対して、必要な知識や解法を引き出すこと
です。
言い換えると、
「何が出るか分からない状況で、持っている武器で戦う経験」
を積むことです。
まさに“サバイバル”です。
GS特訓では、初めて本格的に過去問に取り組みます。
ここで初めて、
- 自分の志望校ではどんな問題が出るのか
- どれくらい難しいのか
- 周りの子はどれくらい解けるのか
を体感します。
もちろん、5月時点では全然解けません。
それで普通です。
【GSはやはり受けた方が良い】
受講前は、ほぼ全員がこう言います。
「GSめんどくさい…」
ですが、終わった後は意外とポジティブな感想が多いです。
- 意外と大変じゃなかった
- 先生がいつもより面白かった
- 宿題が直し中心で気楽
- テスト範囲じゃないから気楽
70分×6コマというと恐ろしく感じますが、
なぜかお昼休憩を挟むことで、普段より楽に感じる生徒も多いです。
まだSS特訓が始まっていない時期なので、
- 友達とご飯を食べる
- いつもと違う雰囲気
- 卒業生が応援に来る
など、ちょっとしたイベント感もあります。
実際、
「お祭りみたいだった」
と言っていた生徒もいました。
GSで最も大切なのは、
「今の自分と志望校との距離感」
を知ることです。
GSでは、自分のレベル帯に合わせた過去問に取り組みます。
当然、大苦戦します。
でも、それでいいんです。
大切なのは、
- 「このレベルの問題が出るのか」
- 「難しいけど、解説を聞けば理解はできる」
- 「SAPIXのテストと全然違う」
- 「同じクラスで解ける子がいる」
- 「本番って“上位が受かる世界”なんだ」
という感覚を体で理解することです。
これは家庭ではなかなか再現できません。
家庭学習で、
- 今の実力を超える問題に
- 70分×6コマ
- 周囲と競いながら
集中して立ち向かうことは、かなり難しいからです。
GS特訓は、
「受験勉強のフェーズが変わる瞬間」
を体感する場です。
今までは、
- テキストをこなす
- 新しい知識を覚える
- 毎週の復習を回す
という勉強でした。
しかしここからは、
「実際に合格点を取るために何が必要か」
を考える段階に入ります。
【今後の講習(特にSS)】
今後の講習も、基本的には受けた方が良いです。
特にSAPIXでは、
- SS特訓(日曜特訓)
- 志望校別特訓
- 正月特訓
を省こうとするご家庭があります。
ですが、僕は基本的におすすめしません。
どの塾のカリキュラムも、
「6年の1〜2月に合格する」
ことを前提に設計されています。
季節講習も含めて、積み重ねで完成するように作られているのです。
最後だけ抜いてしまうと、5年生までの積み重ねが活きにくくなります。
【受けないなら、それ以上の勉強を作る必要がある】
もちろん、例外はあります。
実際に今年のGW、GS特訓を受講しなかった生徒を家庭教師として指導しました。
その生徒は、
- 算数がかなり苦手
- 「導入と基本」「アプローチ」に未消化あり
- 基礎トレが追いついていない
- 土特も復習できていない
という状況でした。
GS期間中は毎日同じ時間に指導を行い、
- 基礎トレの「!」問題
- 通常テキストの苦手回
- 土特の復習
- 分野別補充プリント
を徹底的に総復習しました。
僕の感覚では、
GSを見送る選択肢が出てくるのは、偏差値45以下くらい
だと思っています。
ただしその場合でも、
「GS以上の価値がある学習」
を家庭側で用意できることが前提です。
塾では70分×6コマ、強制的に勉強環境があります。
それ以上の密度で、
- 復習
- 基礎固め
- 弱点補強
をマネジメントできるのであれば、見送る意味はあります。
逆に、
「家でやろうと思ったけど結局できなかった」
となるなら、GSに行った方が良いケースが多いです。