SAPIX夏期講習テキスト算数の2番目はN51-02【規則性】です。
このテキストのクライマックスは日暦算です。日暦算は本当に理解していないと大体間違えるという厄介な問題です。適当に解いても(書き出したり・その場でやり方を編み出しても)たまに解けることもあるがゆえに余計厄介なんですね。
事前に解法をしっかり確立して、本番のテストでは頭を使わずに、機械的に解けるようにしておきましょう。
日暦算をしっかり解説すると、僕の授業でもたっぷり2時間はかかりますし、10~20問ほどを解かねばならないのですが、ここでは生徒が勘違いしがちなポイントに関連して、ちょっとしたコツを2つだけシェアします。
どちらのポイントもその月の実際の日数を超える表記法に関してです。SAPIXの生徒であれば、理解できると思いますが、たとえば以下のような表し方です。
6月30日の翌日は6月31日である。
これは分かりやすいと思います。実際は6月は30日までしかありませんが、もしも6月が30日以降も続くのであれば、6/31ということになります。
このやり方について、中学受験を体験していないご両親は違和感を感じると思いますが、SAPIXではほとんどの先生がこの方法で教えるようです。もしもご両親がお子様に教えるのであれば、この解き方に沿ってあげる方がよいです。
これは時間と分の計算のようにとらえると分かりやすいです。例えば
130分は1時間70分であり、1時間70分は2時間10分である。
というような考え方です。この際、分を60減らして、時間を1増やしますね。
0:130=1:70=2:10
と表記することもできます。
ここで大切なのは分を減らしたら時間が繰り上がるということです。それと同じように月と日でも、日数を減らした分、月が1つ繰り上がるという感覚が持てると良いです。例えば以下のようなことです。
6/31=7/1
ポイント①『日を減らしたら月を繰り上げる』
これが1つ目のポイントです。月と日の両方が増えるとか、両方が減るということはありません。これを意識することで、この計算法への理解が深まって、ただの暗記でなくなります。
2つ目のポイントは月を増やす場合、若い月の持っている日数を引くということです。これは分かりにくいと思うので説明します。たとえば
6/31は7/1である。
このとき、日数は30を引いていますね。この時、必ず7月の日数(7月は31日間)ではなく、6月の日数(6月は30日間)を引かなければなりません。なぜならば、31から6月の日数の30を引くことで、7月にあとどれだけ残っているかが出るからです。
ポイント②『月を増やす時、若い月の日数を引く』
若い月というのは、6月と7月でいえば6月。つまり数の小さいほうの月ですね。時間的に先に訪れる月と言ってもよいです。
例題を解いてみましょう。
10月20日の49日後は何月何日ですか。
これは次のように解きます。表記は数学的に正しいものではありませんが、小学生用に分かりやすく洗練したものです。このまま覚えてください。
10/20+49日=10/69
10月は本当は31日までですが、ここではいったん、10月69日とします。
10/69=11/38
ここではあり得ない日数である『69』を、あり得る日数まで減らしていきます。この時、日数が減るのであれば、月は増えるはずです。ですから月は10月から11月とします。そして『若い月』である10月の日数である31を引きます。
11月38日というのもあり得ないので、さらに日数を減らします。
11/38=12/8
ここでも日数を減らし、月を繰り上げます。そして、減る日数は、11月と12月を比べた時に若いほうの月である11月の日数(30日)になります。ですから、答えは12月8日となります。
本来は実際の問題をたくさん解く中で伝えることなので、このまま読んでも子供には分かりにくいかもしれませんが、日暦算の勉強に付き合うご両親の参考になれば幸いです。