この教材について.
この教材を作った動機と教材の使用方法については、教材の第1回の冒頭をご覧ください。
この教材は
- 設問に邪魔されることなく文章をたくさん読むことが大切
- 『問題を解くテクニック』にばかりとらわれる国語の勉強では、本当に力(読解力と記述力)がつかない
- 主旨をとらえることが国語の最終目的である
- 記述問題は毎日書くことで磨かれる
という考えのもとに作られています。とにかく1日1題やる、ということが大切です。まだ4日分しか作ってないのですが・・・
教材.
この回(第4回)から縦書きにしました。
教材使用の注意点と記述の評価ガイド.
注意点:
- 上の画像は一部なのでPDFの方から見てください。
- 最後の記述問題に関しては、指示された条件を満たしていれば、内容がひどくても認めてあげること
- 楽しんで本文を読ませることが大切で、細かい部分で理解不足があってもスルーすること
- 読んで終わりにせず、記述問題は必ずある程度の字数を書くこと
- 辞書を引くことを強制しないこと(引きたい時は引かせてもよい・言葉の意味を訊かれたらグチグチ言わずすぐに答えること)
記述の評価:
- 「主人公(私)は獣医であること」「患者のブランディという犬の愛すべき性質について」「ブランディが病気にかかり、ずっと治らないと思ったが、治ったこと」が書かれていることが基本です。
- それに加えて「医者でも諦めた症状でも治ることがある、人知を超えた自然治癒力の神秘」などということに触れてあれば完璧です。
- 「二本足で立つ犬」「私の寝不足」「抗生物質」「肺の音」などに字数を割いている場合は要注意です。主旨から外れている可能性が高いです。
出典と読書のススメ.
出典はジェイムズ=ヘリオットの『犬物語』です。作者は本当の獣医です。以前に記事にしたこともある、僕のお気に入りです。当時の記事はこちら。
開成中の過去問(平成13年:古いので過去問演習に差し支えることもないと思います)でもあります。難関中は外国の文学から出題されることが多いですが、登場人物がカタカナ名であるだけで拒絶反応を示してしまう生徒もいるので、ぜひ外国文学に慣れておきましょう。
最近の日本の小学生向け小説は決まりきったシチュエーション(クラスで仲間外れになる・田舎に引っ越す・都会から引っ越してくる・スポーツで喧嘩する・子供だけで意外なものを発見する・親が離婚する)が多く、子供の視点にとらわれすぎている気がします。おそらくいわゆる児童文学作家が「自分の知らないこと」を書いているからだと思います。児童文学は必ずしも子供が主人公である必要はなく、登場人物が子供らしい考え方をする必要もないはずなのですが。
難関中学は受験問題の作成者も優れた読書家であり、格調高い文章を選んで出題しています。また大人の視点でものを考えることを要求するものが多いです。今回のストーリーにも子供はほとんど出てきませんね。そういった意味でも、優れた外国文学に親しむことは有益だと思います。
子供がこの話を少しでも気に入った様子であれば猛プッシュして、本を買って、読ませてあげるようにしてください。
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