目次
- 概要
- 授業の時間割(4年生)
- SAPIXの年間カリキュラムとその理念
- SAPIXのテストとクラス分け
- SAPIXに通う生徒に求められる家庭学習
- 保護者の役割
- 教科ごとの勉強方法(算数・国語・理科・社会)
- その他
1. 概要
我が子がいよいよSAPIXに入塾することになりました。すでに入塾テストをパスしており、4年生(学校の学年では3年生)の2月入塾です。僕はSAPIXは4年生入学がベストだと考えているので、それに向けて準備をしてきました。
これまでの経緯は「我が子」カテゴリのまとめからご覧ください。
このほどSAPIXのマイページに、新4年生の入学生に向けてのガイダンス動画が公開されたので、じっくりと視聴しました。このページはその公式のガイダンスで語られていたことのまとめになります。
僕は家庭教師として、30年近くSAPIX生を指導してきたので、SAPIXのシステムは理解しています。その上でガイダンス動画を視聴したのですが、このガイダンス動画にはSAPIXの哲学が詰まっており、内容も素晴らしいものと感じました。
一方で、情報量が多すぎるせいで、初めてSAPIXのシステムに触れる方にとっては、なかなか理解が難しかったように思います。さらに言えば、SAPIXが生徒とご家庭に要求する勉強法としては動画の通りだとしても、『実際はそんなにできるの?』『皆さん、本当にやってるの?』という部分は、僕のような外部の者が整理した方がよいのではないかと感じました。
お子様の入塾が決まったご両親は(あるいは入塾を検討しているご両親も)、このページを見て、SAPIXのシステムを理解し、同時に『実際問題としてSAPIX生とその親がどうやって塾と付き合っているのか』のイメージを持って頂ければ幸いです。
2. 授業の時間割(4年生)
曜日について
時間割は校舎によって変わりますが、首都圏のSAPIXの4年生はほぼ火曜と木曜の授業だと思います。念の為、通う校舎に確認をお願いいたします。
ちなみに5年生は月・水・金です。6年生は火・木・土になり、6年の9月からはサンデーサピックスといって、日曜日の授業が始まります。
各教科の時間配分について
4年生では国語と算数が週に2時間ずつ、理科と社会が1時間ずつになります。
SAPIXの国語と算数はそれぞれAとBに分かれます。国語Aは知識と選択問題の対策、国語Bは長文の記述対策になります。算数Aは前週の復習、算数Bは新しい範囲の勉強になります。
授業前テスト(基礎力定着テスト)について
17:00からの授業の前にテストがあります。このテストは算数の基礎力定着テストと呼ばれるものです。基礎力定着テストの出題範囲は、算数の『基礎力トレーニング』という教材と、前々週の算数Bのテキストの範囲から、似たような問題が出題されます。参加は任意ということになっていますが、学校の都合などで間に合わない子を除き、基礎力定着テスト(授業前テスト)は「参加必須」だと思ってください。
SAPIXのスパイラル(螺旋状)システムについて
SAPIXの算数は、受験に必要な知識・解法を要素に細分して、繰り返し何度も解かせて、定着をさせます。そして、それが定着しているかを随時チェックしてくれるシステムになっています。
最初に算数Bで新しい内容を習い、それを算数Aで次週に復習し、その次の週に基礎力定着テストで確認します。さらにおよそ1ヶ月ごとのテスト(マンスリー確認テスト・組み分けテスト・復習テスト)でも似た内容が出題されます。
さらに言えば、4年の内容の発展が5年生のカリキュラムとなり、5年生の発展が6年のカリキュラムとなり、6年の内容が最終的に志望校別の授業の基礎となっています。
このシステムがSAPIXの肝で、このスパイラルにうまくのっかることで基礎が叩き込まれ、難関校合格の近道になります。理解度を何度もチェックしてくれるので、テストがあればその都度間違えた問題を復習していけば、自然と身に付くようにできています。
これを思考停止の丸暗記システムで、子供の学習に悪影響があると考える向きもありますが、基礎的な解法を徹底的に分類して反復させることは、有効な学習法だと僕は思います。そしてこの学習法は、優秀な生徒よりも、むしろ凡庸な生徒に有効なシステムだと僕は考えています。
このシステムを活かすためにも、各段階で間違った問題はしっかり復習をして、理解度をチェックし、苦手ならば基礎からやり直す姿勢が大切です。
質問教室について
SAPIXの授業後に、その週の内容を家で復習して、自分で宿題をこなす必要があります。これはどの塾でも同じことです。そして、その時点で理解できないことは、塾に頼らずに解決する方法を、各家庭で確立しておく必要があります。そうでないと、理解できない問題がどんどん貯まっていき、気付いた時には取り返しがつかないほどその教科が遅れてしまっているということになります。
そこでご両親が頼るのがSAPIXの授業後に開かれている質問教室ですが、個人的には質問教室にはほとんど意味がないと考えています。
というのも、先生に臆せずどんどん質問できる小学生はそれほどいないものです。ほとんどの生徒は質問教室に行くことを嫌がります。さらに質問教室は混んでいることが多く、帰りが遅くなり疲れる割には、先生に教わることができるのはせいぜい1問か2問、時間にしても5分10分程度ということになります。質問教室に行くくらいなら、さっさと帰宅して、やることを済ませて寝ましょう。
SAPIXは面倒見がよくないと言われることがありますが、SAPIX(に限らず全ての塾)は、生徒1人1人の分からない問題全てに、責任を持って個別に指導するようにはできていません。もちろん塾側としては、全ての生徒の全ての疑問に責任を持って答えていくというポーズをしますが、それは建前であり、システム上不可能です。分からない問題は、自身が解答を読んで理解する、インターネット等で調べる、家族が教える、個別指導に行く、家庭教師をつける・・・などといったSAPIXに頼らない解決法を確立しておかねばなりません。
ご両親の素養にもよりますが、4年生のうちは、基本的にご両親が教えることになるでしょう。5年生のどこかでご両親が教えられるレベルを超えますので、その時点で別の方法が必要になります。
いずれにしても、「塾に通わせてあとはおまかせ」という考えでは中学受験はうまくいきません。どの塾に行っても、差がつくのは家庭学習の質ということです。
ヤルッキャについて
ヤルッキャはサピックスが提携する『オンライン自習室』です。新入生向けのガイダンス動画でもヤルッキャについての言及がありましたが、ヤルッキャは無意味です。
ご両親としてはとりあえずお子様を自習室に送り出して、そこで長時間拘束してもらうと、ひとまずお子様が長時間勉強しているという安心感がありますし、親自身がその間に仕事と家事に集中できるメリットがあります。これはご両親のエゴや怠慢ではなく切実な要請だと思います。ですがSAPIXには自習室がありません。
その要請に応えるためか、最近サピックスはヤルッキャを強く推薦していて、僕の生徒も多くが体験しましたが、長続きできた生徒はいません。最初は楽しんでやります。ポイントが貯まったり、画像で他の生徒の画面が映ったりすることに新鮮味があるようです。ですがすぐに飽きます。
サボっていないか見張っている先生が、オンライン自習室の画面に表示されているのですが、先生の画像は録画です。サボっていても指摘してくれたり、親に報告してくれることもありません。
何よりも時間だけで拘束して勉強させ、時間に応じてポイントがもらえるのは、生徒の勉強に悪影響があります。やることを早く終わらせて遊んだほうがよいです。
4教科のバランスについて
SAPIXのガイダンスでも語られていましたが、4教科の勉強のバランスがとても大切になります。大人(特にビジネスで成功されている方)は自身の人生観から、4教科の中でいずれかを偏重する傾向にありますが、あくまでもこれは中学受験です。大人としてお金を稼ぐのに必要なスキルと、子供の学問的基礎を涵養する(その結果中学受験に合格する)ために必要な学習は全く別のものだと理解してください。
「算数さえやっておけば何とかなる!」と考えていらっしゃる方が特に多いですが、何とかなりません。
中学受験は大学受験とも根本的に異なります。ほとんどの学校が国語と算数が同配点であり、理科社会も含め4教科が同じ配点ということも多いです。僕は家庭教師として4教科全てを教えていますが、一度遅れた教科は受験本番まで取り戻せないことがとても多いです。また全ての教科は互いに関連しているので、苦手が出ないように勉強のバランスを調整しながら家庭学習を進めてください。
習い事について
塾に通うにはそれまでの習い事を整理する必要が出てきます。SAPIXに通塾するのであれば、ご両親は「色々な習い事をさせてあげたいがやはり勉強が一番重要だ」と腹を括って、勉強の優先順位を1番に据えてください。そうでないならば、のんびりした他塾を選び、本当の難関中学に合格することは諦めてください。
首都圏には、ご両親が乳幼児期から熱心に教育してきたお子様がたくさんいます。中学受験に飛び抜けた才能は必要ありませんが、勉強が一番でないならそもそも土俵に立てないので、別の道を歩ませてあげてください。
習い事に関しては、入塾までは色々と経験させてあげるのが良くて、公文(算数)かそろばんに通っておくと算数が格段に楽になります。ピアノ・水泳・バイオリン・バレエなどは定番ですが、僕としては芸術系・運動系は何でも良く、子供がピンときたものをやらせてあげればよいと思っています。入塾後は、4年生で習い事2つ、5年生で1つ、6年生は0(SAPIXのみ)という生徒が多いです。
3. SAPIXの年間カリキュラムとその理念
2月から1月までが受験の年度
2月の最初は受験なので、SAPIXはそちらの対応、その後1週間ほどは先生の休み
通常授業と春期・夏期・冬期講習
通常授業は36~37回ほど
春期・夏期・冬期講習は必須。内容が進みます。
4年生は春期5日、夏期講習は14日、冬期講習は6日。算数は毎日。
2/10あたりが初日。各塾で要確認。
1週間ごとのカリキュラムで進むので、1週間単位での学習計画が必要。
家庭学習ナビでやることをチェックして、勉強スケジュールを整理する。
