この問題を見た時に「青い線の長さや赤い線の長さが分かればいいのに」と感じるでしょう。なぜなら、そこが分かれば正方形の面積が求められるからですね。その考えは間違っていないのですが、残念ながらそれを求めることはできません。そしてそれを求めることができないというのが出発点です!
正方形をABCD、2つの扇型の接点(接する点)をEとします。そしてBとE、DとEをつなぎます。このように円周上の点は円の中心とつなぐのが鉄則です。
「この問題はここに補助線を引く」と覚えるだけでは、新しい問題に対応することができません。大切なのは「なぜそこに補助線を引いたのか」です。
すると青い線が6cm、赤い線が8cmだと分かります。そして青い線と赤い線は点Bと点Dを最短距離でつなぐものなので、正方形ABCDの対角線だと分かります。対角線の長さは6+8=14cmですね。
そして対角線の長さが分かれば、正方形の面積が分かります。
正方形の面積を対角線の長さから求めさせるのは、中学受験の特徴です。これはとても利用頻度の高い技です。
この影になっている三角形ABDは、底辺がBDで、高さがAEと考えることができます。正方形の対角線は直交するので、角AEBは90°になっていますね。
ですから三角形ABDの面積は14×7÷2=49です。
三角形BCDも同じく49なので、正方形ABCDの面積は98だと分かります。
以上の計算から分かったかもしれませんが、正方形の面積は
で求めることができます。この問題の場合は14×14÷2=98ですね。
正方形の面積が分かってしまえば、あとは2つの扇型の面積を引けば良いので
98−(6×6×3.14÷4)−(8×8×3.14÷4)
=98−(9×3.14)−(16×3.14)
=98−(25×3.14)
=98−78.5
=19.5(答え)
となります。
当然この計算中もこのコツを守らねばなりません。
3.14を2度計算している形跡があったら、問答無用でやり直しです。
解答:
19.5㎠