このページでは、逆算を解いていく順番について解説します。
その他の逆算の解き方や練習問題は逆算のまとめページへ。
逆算の解き方①はこちら(これを理解した上でこのページをご覧ください)。
逆算が苦手な生徒が多い・・・
サピックスの新4年生のデイリーサピックスに逆算(穴埋め算)が出てきました。
( □ +3)×7=35
簡単な例で言えば、こういうものです。こうした逆算が苦手な生徒がとても多いですが、それはなぜでしょうか。
親も塾もはっきりとした方法論を教えられないから
大人は方程式で解けますし、算数が得意な生徒は直感的に解けてしまいます。そのせいもあってか、他の分野に比べて、解法が周知されていない気がします。
何でも決まった公式に当てはめて解くのは、SAPIXの悪いところでもあると思うのですが、逆算というのはまさに単純な計算なので、決まりきった計算法で解いていいはずですよね。僕なりに逆算(虫食い算)の解き方を、解説してみようと思います。
逆算の解き方
基本は3ステップです。
【手順1】まずは計算の順序を考えてみましょう。
逆算ではなく、普通の計算の順序で、+-×÷に番号を付けます。
カッコの中を先に計算するのでそれが①、その後②を計算します。この場合+と×がそれぞれ1つずつなので、番号は②までですね。+-×÷の個数と番号の一番大きい数は一致します。
【手順2】一番大きい番号の左右で、□のある方を全部まとめて大きな四角と考える。
逆算なので番号の大きい方から計算していきます。つまり、この場合②から計算するのですが、その時に、この②が付いている×の前後で、□(穴埋めの穴)がある側を全部まとめて大きな四角と考えます。
どうでしょうか。記号が1個になったので、これなら分かりますよね。この大きな四角は35÷7なので5です。
【手順3】大きな四角の中身を書き直す。
手順2で(□+3)を大きな四角として考え、それが5だと分かったので、それを一度書き直します。
もう簡単ですね。□=2。これが答えです。
ちなみに(□+3+2)×7=63のように、カッコを挟まずに、□とも関係ない部分に、足し算がある場合は、先に足せる部分を足してしまって、(□+5)×7=63のように整理してから、順序の番号をつけるようにしましょう。
同様に、カッコをまたがずに、しかも□に関係ない部分に、掛け算がある場合も同様です。(□+1×5)+2×3=15などという場合ですね。これは(□+5)+6=15のように、整理してから逆算を始めましょう。
例題
では実際に、少し複雑なこの問題を、上記の3つの手順で解いてみましょう。
543-(17+ □ ×6)×4=91
【手順1】まずは計算の順序通りに、+-×÷に番号を付けます。
【手順2】最後の番号④の左右で、□のある方の全体を、大きな四角と考えます。
(17+□×6)×4を大きな四角と考えます。
大きな四角は543-91なので、452ですね。
【手順3】大きな四角の中身は452なので、これを書き直します。
④まであった番号が③までになりましたね。後は【手順2】に戻って、【手順2】と【手順3】を繰り返すだけです。
【手順2(2回目)】
17+□×6を大きな四角と考えます。
452÷4をして、大きな四角は113と分かります。
【手順3(2回目)】
大きな四角の中身が分かったら、必ず式を書き直します。これで番号が②までになりましたね。
【手順2(3回目)】
□×6を大きな四角と考えます。
113-17をして、大きな四角は96と分かります。
【手順3(3回目)】
はい、ついにたどり着きましたね。□は96÷6で16です。これが答えです。
繰り返しになりますが、コツは大きな四角の中身が分かったら、その式を書き直すことです。
逆算をとにかくたくさん練習してみたい方は、以下の問題集をおすすめします。
サピックスの逆算の問題の数値換え問題を載せておきます。上のやり方で解いてみてください。
答えは2、67、21、81、11です。
情報提供、どうもありがとうございます。
小学生にも教える立場として、四則演算の順序に番号をつけるという発想はすばらしいと思います。こちらでも採用させていただきます。
最後の□の値を求める説明があっさりしていると感じますが、等式の性質は説明済みと判断しておきます。
コメントありがとうございます!
小学生にどう教えるのが一番スムーズか、僕も日々試行錯誤しています。
おっしゃるように、◻︎×6=96が→96÷6=16のようになる、というような最後の部分は「逆算の解き方①」で解説していますが、そのページへのリンクが直接貼ってなくて分かりにくかったです。そちらを訂正しておきます。
またご指摘ください。