年長〜小学2年生向け教材の紹介です。
実際に生徒の指導に使用した時の反応についてもシェアします。
『平均IQ150以上のエリート小学校が実践する天才頭脳ドリル 入門編』( 和田知之・幻冬社)
評価 ★★★★★(81/100)
5〜8歳向け
難易度★★★★☆(幼稚園で理解できるのは優秀な子、小学生でもそれなりの難易度)
長所『毎ページ違う内容なので飽きない』『問題の指示を読むことで読解力がつく』
短所『幼稚園児・小学校低学年向けにしてはレイアウトがそっけない』
もともとは小学1年生を家庭教師として指導する際に、2時間の授業を飽きさせないために、様々な教材を用意し、その中に『学研の幼児ワーク ちえ 6歳』がありました。
この『ちえ』は小学1年生にはかなり簡単なもので、Z会やベネッセの通信講座よりもサクサク進められ、すぐに1冊やりきってしまいました。
同じような教材で『ちえ』よりも少しレベルを上げたものを探して見つけたのが『天才頭脳ドリル』です。書店に行けば6歳までのドリルは揃っていることが多いですが、小学校低学年向けのこうしたものが意外と少ないんですよね。
「IQがいくつ」とかいう宣伝文句は僕は好きではありません。IQの高さを「生まれつきの頭の良さ」のように自慢する生徒や親がとても多いからです。IQをやたらに前面に押し出すのは、東大生をやたら持ち上げるTV番組と似たようなものですね。
IQは変動するものです。また幼児期のIQなどはあてになりません。「僕ってIQが〇〇なんだよ」と自慢するわりに、全く勉強せず、成績も振るわない生徒をどれだけ見てきたことか・・・
「うちの子はIQが高いからできるはずなんです」と才能だけを信じて、様々な習い事をつまみ食いさせるものの、正しい勉強習慣をつけさせるという、一番大切なタスクを忘れているご両親をどれだけ見てきたことか・・・
僕が家庭教師として伺う家庭は意識が高く、小さな頃からフォニックス・英語・ソルフェージュ・ピアノ・バレエ・公文などなどに通ってきた生徒がほとんどです。IQが高いことは単なる前提でしかありません。IQが高いのは当たり前なんです。みんな高いと思った方がいいです。肝心なのはその先なんですね。
話が逸れましたが、名前はともかく、このドリルの内容はとても良いです。各ページに様々に工夫されたドリルが載っていて、飽きることがありません。
毎ページ違った内容なので、毎回「どういったドリルなのか」「何を答えるのか」を読み取らねばなりません。よく言われる、出題の意図を捉えるという練習ですね。広義の読解力につながります。
難易度もちょうどよく、「ちえ」を終わらせた後にぴったりです。同シリーズに「基礎編」があります。こちらは「入門編」より少し難しいものです。「入門編」で簡単すぎると感じたら、「基礎編」に取り組んでもいいでしょう。
様々なページがあるので、1つだけでは伝わらないと思いますが、直感的なひらめきを重視しているのがお分かりいただけると思います。文字を隠している塗りつぶした部分が答えの図形になっているなど、細かい配慮も行き届いている感じです。
通信教育の教材をやる合間にやっているのですが、漢字や計算や作文よりもこちらの方が面白いらしく、捗ります。
捗るというよりも、「こっちは3ページまでね」とか「通信教育の今月分が終わってからね」などと、むしろこればかりにならないように注意しているくらいです。
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