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平面図形(面積を求める問題)の基礎

  • 面積を求める問題の基礎です。
  • 知らないと解けない問題を中心にしています。基礎とはいえ、解き方を知らなければ大人でも難しいはずです。
  • これが応用問題を解くための土台になります。全てスラスラ解けるかどうか、確認してください。
  • 解説は家庭教師として教えている様子をできるだけ再現しようとしているので、説明が簡潔でなくなっています。
  • 作成中です。

⇩基礎的な図形知識の確認と反復練習におすすめの問題集です⇩

 

【問題】

(1) 下図の三角形ABCの面積を求めなさい。(高さが外側にある三角形の面積)

(2) 下図の灰色の部分の面積を求めなさい。ただし、AC=9cm、BD=7cmです。(矢印の形)

(3) 下図の五角形の面積を求めなさい。ただし、AB=24cm、BC=16cm、CD=15、DE=20cm、AE=9cm、角EAB=角ABC=角CDE=90度です。また下図の長さや角度は正確せいかくではありません。

(4) 下図の三角形の面積を求めなさい。(30°、75°、75°の二等辺三角形の面積)

(5) 一つの角が150°で、それをはさむ2つのへんが10cmと15cmの三角形の面積を求めなさい。ただし、下図の三角形の角度や辺の長さは正確せいかくではありません。(150°の三角形の面積)

(6) 図の三角形の面積を求めなさい。(15°、75°、90°の三角形の面積)

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【解答】

(1) 12.5 (2) 31.5 (3) 450 (4) 6.25 (5) 37.5 (6) 32

【解説】

(1)

三角形の面積の求め方はみんな知っていますね。もちろん『底辺ていへん×高さ÷2』です。

ですが、『三角形の底辺』がどこのことをすのか、あなたはかっていますか?簡単かんたんすぎて「こんなのやる必要ひつようないよ」と思うかもしれませんが、かんちがいしている人がおおいんですよ。まずはここからしっかり理解りかいしておかないとさきすすめません。

今ここに三角形ABCがありますが、底辺はどこだと思いますか?

「かんたんじゃん!BCだよ!」と思ったあなたは、あまいです。間違まちがってはいませんが、正解せいかいでもありません。

正解は「ABとBCとCAのどれでも底辺にしてよい」です。『下にあって横に引かれた線』が底辺というわけではないんですよ

さて、次に『三角形の高さ』がどこのことを指すか、考えてみましょう。上の図の三角形ABCにおいて、高さはどこになると思いますか?

答えは3つありますね。

ABを底辺とした場合ばあい、図中のECが高さになります。

BCを底辺とした場合、図中のADが高さになります。

ACを底辺とした場合、図中のBFが高さになります。

このように、底辺にふくまれない点(底辺のかいがわにある点)から、底辺にたいして90°になるように下ろした線が高さになるんです。このような線のことを垂線すいせんといいます。「ややこしいじゃん、高さは高さでしょ?」と思ってはいけません。ここを曖昧あいまい(いいかげん)にしてしまうと、この先いくら頑張がんばってもムダになってしまいます。

もう一度言います。底辺にふくまれない点(底辺のかいがわにある点)から、底辺にたいして90°になるように下ろした線が高さになるんです。いいですね。

ACを底辺とした場合をれいにとって、もう一度いちど確認かくにんしてみましょう。

ACを底辺としているので、底辺にふくまれない点とはBのことになります。Bから底辺であるACに90°になるように線を下ろすと、このようにへんACとまじわりませんね。でもこれでいいんです。底辺の延長線えんちょうせんと交わればそれでよいんです。交わる点はFですね。そして高さはBFとなります。

前置まえおきが長くなりましたが、問題もんだいもどりましょう。さきほど言ったように、三角形の辺ならば、どこを底辺としてもよいのですが、高さが分からないと面積めんせきを出すことができません。底辺と高さがセットで分かっているのがBC(5cm)と、Aから下ろした線(5cm)ですね。だから、そこを底辺と高さに決めるわけです。もともと底辺がそこに決まっているわけではないんです。

ABの12cmはひっかけです。使いません。

というわけで底辺5cm、高さ5cmなので

$$5×5÷2=12.5$$

このように、三角形の面積を考えるときには、底辺と高さがセットになっているところをさがすのが基本きほんになります。

 

(2)

まずは2つの三角形にけてかんがえましょう。

このようにあおい三角形とあかい三角形に分けましょう。

さきに上の青い三角形の面積めんせきもとめていきましょう。

ACを底辺ていへんと考えると、高さは上図じょうずの ▭ のところになります。底辺を決めた後に、『底辺にふくまれない点から、底辺の延長線上えんちょうせんじょう垂直すいちょくろしたところ』が高さになるんでしたね。

言葉ことばで言うとかなりむずかしいと感じますが、実はそれほどむずかしくありません。このことがしっかり分かっていないとこの問題もんだいけませんし、図形の問題全部ぜんぶが分からなくなります。自信じしんがなければ(1)の問題の解説かいせつをよくんでください。

 ▭ の高さは分からないので、 ▭ のままにしておくと、青い三角形の面積は

$$9× ▭ ÷2$$

となります。

同じように下の赤い三角形の面積めんせきもとめていきましょう。

こちらも底辺をACと考えます。そうすると高さは△のところになります。

赤い三角形の面積は

$$9×△÷2$$

ですね。

ここで ▭ と△をあわせると7cmになることがわかるとおもいます。

では赤い三角形と青い三角形の面積めんせきしていきましょう。

$$(9× ▭ ÷2)+(9×△÷2)$$

9÷2を先にしてしまいます。

$$=(4.5× ▭) +(4.5×△)$$

ここで分配法則ぶんぱいほうそく使つかいます。

$$=4.5×( ▭ +△)$$

 ▭ と△を足すと7cmだったので

$$=4.5×7$$

$$=31.5$$

これが答えです。

 

分配法則ぶんぱいほうそくについては、この言葉ことばらなくても、小学5年生でならっているはずです。『計算のくふう』という名前で習っているかもしれません。

 

このように矢印やじるしの形は、ACとBDをかけて2でればもとめられます。おぼえておけば早くくことができますが、『なぜそうなるのか』をかっていなければ使つかってはいけません。面倒めんどうかもしれませんが、上の解説かいせつをよくんで『なぜそうなるのか』を理解りかいしましょう。

 

(3)

上の(1)(2)と同じく、どの底辺がどの高さに対応たいおうしているのか、ということが大切になります。それを意識いしきして補助線ほじょせんをどこに引くかを考えると、下図のようになります。

90度をはさむように底辺と高さを対応させることが大切です。この補助線を引いたことで、底辺と高さが分かる三角形ECDができあがりましたね。

三角形ECDの面積は15×20÷2=150です。

残りの部分(四角形ABCE)も台形なので、簡単に面積を求めることができます。この四角形ABCEが台形だと言えるのは、AEとBCが平行だからです。向かい合う辺が1組平行であれば台形です。

ちなみに向かいあう辺が2組平行であれば平行四辺形になります。

台形ABCEの面積は(9+16)×24÷2=300になります。言うまでもありませんが、台形の面積は(上底+下底)×高さ÷2で求めます。

三角形と台形の面積を足して450㎠が答えとなります。

 

(4) 

この図に補助線ほじょせんを入れてみましょう。

右下の頂点から、向かい側にある辺に、90°になるように補助線を引きます。このように90°になるように引く線のことを、垂線すいせんといいます。

すると元の三角形の中に、30°、60°、90°の三角形ができていますね。この三角形は三角定規じょうぎの一方と同じ形をしていて、特別とくべつな三角形です。

このように90°の向かいがわにある辺が一番長く、30°の向かい側にある辺が一番短くなります。そして一番短い辺の長さを2倍にすると、一番長い辺の長さになります。これは30°、60°、90°の三角形の時『だけ』使える性質です。いつでも使えるわけではないので注意です。

もとの図形に戻って考えると

90°の向かい側の辺が5cmなので、30°の向かい側の辺(赤でしめした所)が2.5cmになっていることが分かりますね。

もとの図形を反時計回はんとけいまわりに回転させてみましょう。

このようになっているのが分かるでしょうか。ここまで分かればもう簡単かんたんですね。底辺ていへん5、高さ2.5の三角形なので、

$$5×2.5÷2=6.25㎠$$

 

(5) 

この図に補助線ほじょせんを入れて、もとの三角形の外側にもう一つ三角形を作ってみましょう。

15cmの辺を延長えんちょうし、そのあと左下の頂点ちょうてんから90°になるように線を引きます。このように90°になるように書いた線を垂線すいせんと呼びます。

こんな感じです。

新しく作った青い三角形は、わざと90°になるように作ったものなので、くろい角が直角ちょっかくになる直角三角形ですね。

この青い三角形だけを取り出してみましょう。

もとの三角形の150°の角のとなりにある角は30°ですね。そしてのこりの角は60°になります。問題の図を見ると、そのように見えないことに注意ちゅうい必要ひつようです。受験問題じゅけんもんだいでかかれている図形は正確せいかくに書かれているとはかぎりません

実際じっさいは①で説明せつめいしたように30°、60°、90°の三角形は下のようになっているはずです。

一番長い辺は90°のかいがわにある辺で、一番短いのは30°の向かい側にある辺です。そして30°、60°、90°の三角形では、一番長い辺を半分にすると、一番短い辺の長さになるんでしたね。10cmの辺は問題に書かれているので、それを半分にすればよいですね。

これで30°の向かい側にある辺が5cmであることが分かりました。

もとの図形に戻りましょう。

これでもとの図形が底辺15cm、高さ5cmの三角形であることが分かりました。あとは簡単かんたんですね。

$$15×5÷2=37.5$$

 

(6)

もとの図形のままではくことはできません。底辺と高さにできそうな数字もありませんし、15°はそのままでは使えないからです。

15°がよくないのですから、それを消す工夫くふうをしましょう。つまり、三角形ABCと同じ形の図形を下側したがわにくっつけることを考えます。

こうなります。この図形をよく見てください。実は(4)の問題と同じ75°,75°,30°の三角形であることに気がつきましたか?

わかりやすく書きなおしてみます。

このような75°,75°,30°の三角形は、90°を作るように補助線ほじょせんを引くのでしたね。

上図のようにA’から辺ACに、90°になるように補助線ほじょせんを引き、辺ACとの交点をDとしました。これでA’CDは30°,60°,90°の直角三角形になりました。

A’CはACと同じなので16cmです。30°の利用りようで、A’Dは16cmの半分の8cmになります。30°,60°,90°の直角三角形では、一番短い辺の長さは一番長い辺の半分になるのでしたね。

これが分からない場合ばあいは(4)の解説かいせつをよく読んでください。

ACを底辺として、高さをA’Dとすると、三角形AA’Cの面積は

16×8÷2=64

になります。

求める三角形ABCの面積は、AA’Cの面積の半分なので、64÷2=32より、答えは32になります。

 

 

 

 

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