【Q】
四年生のカリキュラムが始まりました。その量・質共にレベルが上がり驚いています。
国語はまずA教材と知識分野をとにかくキッチリとやるようにしてます。B教材は内容が一気に難しくなります。宿題はこなしますが、あれもこれもと詰め込むのはやめ、今回はコレ！大事！という問題を2問くらい解かせて、次に生かせるように覚えさせて解かせています。B教材を全てこなせて完璧に理解させることが今は少し困難に感じてます。量的に不十分でしょうか。考えが甘いでしょうか。
社会と理科ですが、これが意外な事に楽しそうにやってます。いつもデイリーで満点なわけではないですが。いつも楽しそうで意外でした。理科で好きな昆虫が出てきた回の目の輝きようは素晴らしかったです。
社会も出来るだけ毎日新聞を読み聞かせてるようにしているので、興味が少しはあるようです。
算数ですが計算は今のところスムーズですが、ハッキリと苦手な単元が出てきました。植木算（それも木を切る回数と時間に関する問題）です。息子の解き方がサピックスと違うようでしたので、サピ通りに解かなければならないと思い、そう教えましたら、本人が混乱し出しました。
丁寧に説明しているつもりなのですが、直しをしてもやっつけ仕事みたいになり、本人も嫌だ、苦手だと言いだしました。そして、もしかして周期の問題とか忘れてるもしくは苦手かなと思い、昔すんなり解けた問題集をやらせたら、やはり周期やテープを切り分ける問題ができませんでした。息子に最初から苦手意識を植え付けてしまった、と反省しています。どう対応するのが正解なのでしょうか。
【A】
2月にSAPIXの学年が上がりましたね。4年生になると内容は難しくなり、宿題の量も増えるので大変だと思います。5年生になる時にも、負担が1.5倍くらいに増えると思ってください。また6年生に上がる時も同様です。学年が上がるとテキストの形式も変わるので、どのように取り組んでいくのか習慣を改める必要もありますね。
ただ全学年を教えている僕の感覚としては、4年生はまだまだです。トップクラスの子は余裕を持ってSAPIXの勉強をこなした上で、習い事や英語や読書をして、今後の土台作りをしている時期です。現在の成績からすれば、まだ取捨選択をせずテキストを全部こなせるよう食らいついていってもらいたいです。もちろんいい加減に済ませるだけでは意味がないので、しっかりと理解を伴うようにする必要があります。
理社が楽しそうというのは何よりですね。好きでやるのが1番です。
国語は後回しになりがちな教科ナンバーワンです。記述問題などはこなしきれずに、ご家庭の判断で勉強を減らしている子が多いですし、国語は全くやらないという子もいます。僕としては指定されたものは全部解いて欲しいです。記述問題は取り組み方も大切で、いい加減に採点し、模範解答を写して終わりになってしまうことが多いのですが、これならば勉強にならないですし、時間と手間だけ取られるのでやらない方がましです。ご両親がしっかり採点し、間違った所・足りない所は自分の言葉で書き直し、また添削し、さらに書き直し、、、といった風に満足のいく解答を仕上げることが大切です。記述問題に関しては、問題数をこなすより1問ずつ丁寧にやることを優先してください。
植木算の問題について、書いて頂いた問題（切る問題はいわゆる植木算でないかもしれません）について具体的には分からないのですが、一般論としてはサピのやり方にこだわりすぎない方がよいです。誤解している方が多いのですが、サピも教え方が統一されているわけではありません。先生によって教える解法が違いますし、先生と解答の解法も違います。またテキストに載っている解法は、まとまりすぎていて、実際の子供の考え方・解き方とは乖離しています。ですので、本人がこのやり方が良いと言って、それが論理的に正しいとご両親が判断されたのであれば、その解き方で構いません。ただし、子供は明らかに不効率な解き方をしていることが多いので、その場合はより効率的な解き方を教えてあげたほうがよいです。また中学受験を知らないご両親が教えると方程式のような大人の解き方になりがちです。年齢に合った考え方・解き方があるので、注意が必要です。
周期算やテープを切り分ける問題や植木算は似ている所がありますよね。時間が経って解けなくなっているのは理解していないからです。ご相談の植木算もおそらく計算式を暗記して数値を当てはめようとしているのではないでしょうか。問題文に書かれている操作をイメージすることと、計算式に表現するということが、繋がっていないような気がします。問題文から数値だけを抽出し、式に当てはめるだけの『計算』では、応用問題に対処できませんし、計算式自体をすぐに忘れてしまいます。サピのテキストに計算式が載っていますが、その解き方にこだわってその通りに解くというのは絶対に避けてください。操作（植木算であれば道に木を植えること）をイメージすること、図を書くこと、それに基づいて自分の考えて式を立てることを意識してください。
勉強時間にしても、どの程度サピックスの解き方を忠実に守るかということにしても、結局はバランスなので、1つ1つはご両親の判断で進めていかねばならないのが、中学受験の大変な所です。基本はサピックスを信じて、言われたことを丁寧にこなしていくのが近道なのですが、お子様の性格・体調・学力・日々の気持ちを考慮して、調整していかなければなりません。それはご両親にしかできないことなので、お子様の様子をよく観察して、引き続き親子で頑張っていって頂きたいです。