- SAPIX5年生
- 母親が勉強をしっかり管理してきたが成績が落ちる
- 言われたことをやっているだけで目を離すとサボる
- 分かるまでやる、できるまでやる、という感覚がない
- 全て本人に任せる勉強に切り替えるべきか
【Q】
息子はSAPIXに2年生から通い、私(母親)と二人三脚で頑張ってきました。最初はαクラスにいたのですが、サボっているわけではないのに徐々に成績が落ちて、9月に偏差値がついに50以下になってしまいました。得意でほとんど勉強する必要がなかった国語も最近急にできなくなりました。反抗期に入り私の言うこともなかなかききませんし、じゃあ自分でやってね、と本人に任せると漢字などの覚えるだけのものも全然できません。長時間勉強はしているのですが、本人がどうすれば出来るようになるのかを自分で考えたり、苦手な所を積極的に勉強するのが苦手です。主人からは「本人に任せてもう口を出すな」と言われています。これまで出来る限りの管理・フォローをしてきたつもりなのですが、逆効果だったのでしょうか。これを機に勉強を全面的に本人に任せた方がよいのでしょうか。ちなみに家庭教師の先生に週2でお願いしています。
【A】
おそらく既にお母様が出来ることは全てされてきていると思いますし、色々な勉強法を試されてきたと思います。こういう時にお母様が口出しするのをやめて全て本人に任せるような勉強法に変えるご家庭多いのですが、僕の経験では上手くいった例はありません。様子を見ながら徐々に手を離れていくのは良いのですが、成績が悪かった時に急に本人任せの勉強に変えるのは逆効果のようです。改善点が多すぎてお母様がどうしてよいか分からず、問題を一気に解決しようとしてショック療法のような方法を模索されるのだと思うのですが、お子様は見捨てられたように感じますし、自分1人で勉強を管理できるようになることはありません。「じゃあもういいや」と余計に勉強が雑になります。
今できることは、「出来る限りのヘルプはするけれど、覚えたり考えたりするのは自分なのだから、意識を高く持ってちゃんとわかるまでやるんだよ」と伝えることしかないと思います。お母様もこれまで通りできるかぎりのフォローをして、あとは自分の意識次第なんだよと納得してもらえば、自分の責任として考えられるようになるのではないでしょうか。
僕の生徒でも勉強が他人任せになっている生徒が多いです。SAPIXの先生のせいにするような発言もあります。「分かりにくい」とか「別の先生がいい」などと話すのですが、「でもできる子はその先生の授業でちゃんと理解できるのだし、結局理解するのは自分なんだから」と伝えています。他にもいくらでも言い訳は考えられます。ですが、最終的に勉強は孤独なもので、周りは導くことしかできません。
お子様の成績が悪かった時にも怒ったり、突き放すのではなく、『最高の環境を与えてもらっているし、お母様も最大のフォローをしているのですから、あとは自分の力で出来るところまで頑張るだけだ』と冷静に伝えれば、勉強というものの本質について徐々に分かってくれると思います。
また勉強をお母様が管理するときは、お子様と「どうすれば成績が上がるか」をじっくり相談して、納得したカリキュラムで勉強させることです。本人任せにしてはダメですが、本人の意見も入れて本人も納得した勉強法にすれば、意識が高まりますし、それで結果が出なければ誰かのせいにすることもなく、勉強法を自分で工夫するようになるでしょう。
また勉強に対する意識についてばかり言っていても「もう分かったから!」と反発してしまうだけなので、必要なことはサラッと伝えて、あとは具体的に1つ1つ対策するしかないと思います。『漢字が悪ければ漢字の小テストを毎回100点を目指す』『社会の漢字が書けていなければ全部まとめてみる』『算数の○○算が苦手ならそれをやる』というのは、簡単に出来ることですので、そうした所を突破口にしていってください。その際に広く浅く知識をさらうのではなく、理解するまでやることです。デイリーステップやベイシックや一問一答問題集などの簡単なもので、一気に全体を復習するのは、頭を使わずに暗記勉強するようになるので危険です。苦手な範囲を絞って、テキストを読む、確認問題などをじっくり考えて解く、ちゃんと納得できるまで復習する、という真っ当な勉強をやり直すことです。
【まとめ】
- 急に本人任せにしても意識は高まらない
- 一緒に解決法・勉強法を考えて、本人の納得できるカリキュラムで勉強する
- どんなに問題が多くても精神論だけではなく、具体的にできる対策をしていく
- 広く浅く復習するのではなく、苦手範囲を絞って、頭を使って理解の伴う勉強をする