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【中学受験Q&A】国語が苦手な帰国子女、入塾テストに不合格でした

  • 3年生の帰国子女
  • 日本語に不安がある
  • 入室テストに不合格
  • 3年生のうちにSAPIXに入塾したい

 

【Q】

帰国子女の3年生の娘の母です。イギリスに5年ほど住んで、半年前に帰国しました。夫はイギリス人です。娘は日本語が苦手で、家でも英語で話しています。帰国して東京の中学受験事情を調べ、SAPIXの入室テストを受けさせましたが、国語が150点中30点でした。算数も70点ほどで、入室は不合格でした。娘よりも私が非常に落ち込み焦っています。4年生になると入室がもっと難しくなるときいています。3年生の間の残り2回の入室テストで合格するためにはどうしたら良いでしょうか。仮に家庭教師をお願いしたら、どのような勉強の進め方をされますでしょうか。

 

【A】

まずはお嬢様の知的な能力に問題があるわけではないのでご安心ください。それをお母様が心配する必要はありませんし、動揺する様子をお子様に見せてはいけません。テストの結果が悪かったことでお母様が怒ったり悲しんだりすると、プレッシャーを感じてお子様まで精神的に不安定になり、勉強が嫌いになります。子供が勉強できるようになるために1番大切なことは、ご両親が落ち着いて、普段から機嫌よく接してあげることです。

具体的な問題は明らかに日本語能力です。これは詰め込んで勉強して伸びるものではなく、必要な勉強をしながら、日常生活のなかで身に付けていくものです。子供の言語能力は伸びる時は急に伸びますし、伸びる時でないのに無理に教えようとすると悪い結果しか生みません。3年生の間に間に合うかどうかは分からないとしか言えませんが、やるべきことを毎日続けるしかないと思います。

SAPIXに今のうちに入塾しておきたいというお気持ちは分かりますが、得点から分かるように、今入塾しても国語の授業はチンプンカンプンになると思います。選択肢の問題は25%程度は偶然当たるので、30点というのは、ほとんど文章が読めていないということです。そういった状態で入塾すれば、毎週時間とお金を捨てることになりますし、『勉強ってワケの分からないものなんだ』と、漫然と授業を受ける悪い癖がつくようになります。

まずはしっかりとした国語の土台を作ること、その先にSAPIXや中学受験があると思います。そのために読書や漢字の勉強を続けてください。僕は帰国子女を教えることも多いですが、無理のないレベルから勉強することに決めています。焦って難しいものをやらせると、分からないまま分かったふりをして授業を受けるようになってしまうからです。得点が半分以下になってしまう問題は難しすぎて勉強をしていても楽しくありません。僕であれば、無理なく理解できるレベルの問題(SAPIX2年生の過去問など)に取り組んで、徐々にSAPIXの今の月の問題に追いついていきます。

算数に関しては、国語力が不安定なのに70点取れているので、あと少しです。日本の問題形式にも慣れていないと思いますし、知らない問題や意味が読み取れなかった問題もあるはずなので、僕と毎週勉強すれば、3年生のうちに合格の目安の50%は得点できるようになるはずです。

お嬢様は慣れない日本語での生活で、普段からプレッシャーを抱えているはずですし、十分でない言語でテストを受ければ苦戦して当たり前です。お母様は表面上だけでもどっしり構えて、お嬢様が気分良く勉強できるようサポートしてあげてください。国語力が年齢相応になれば十分SAPIXに入れる能力があると思いますし、そうでなければ偶然入塾できても良いことはありません。勉強を進めていく基準をSAPIXに置くのではなく、お嬢様の現状に置いて、それに合わせた環境を整えていってあげてください。

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