- SAPIXの4年生
- アルファ中位クラス
- 算数の授業で先生が出題するオリジナル問題が嫌だ
【Q】
娘は現在4年生、サピックスのアルファクラスに在籍してます。アルファクラスが3つある中の2つ目にいます。
アルファクラスでは先生が独自に考えた問題があるそうなのですが、娘にとってはその問題が難しすぎるようです。
解き方が分からず待っていたら「ボーっとするな!手を動かせ!」とかなり怒られたそうで、心が折れてしまい、算数の授業が嫌になってしまったようです。
アルファ上位となると、テキスト以外のもの解かなくてはならないものでしょうか。あるいは娘の担当の先生だけのやり方なのでしょうか。
【A】
先生オリジナルの問題は、アルファクラスの中でも上位クラスにおいて、頻繁に課されます。問題自体や出題頻度は先生の好みが反映されるはずですが、出題されること自体はどの校舎のどの先生でも変わりません。
アルファ上位クラスの生徒は、テキストの問題は余裕をもって解き終わることが多いです。パズルのような問題を周りの子と競争しながら解いていくことが好きな生徒が多いので、先生の出す難しい問題は人気があります。
僕が指導していると、SAPIXの先生が出した独自問題について楽しそうに話してくれる生徒が多いですし、「来週までに解いてくるように言われているんですけど、分からないから教えてください(解いていって周りの生徒に自慢したい)」と、僕にヒントをもらおうとする生徒もいます。
こうした独自問題は、『テキスト通りでなく自分で自由に考えて解いて良いんだ』という意識を身につけるためにも、とても良い勉強です。また独自問題を出すには、先生の能力とやる気が必要になります。生徒のレベルに合わせて面白い問題を準備するためには相当な時間がかかりますし、授業を盛り上げようという気持ちの現れでもあるので、オリジナル問題を出してくれる先生は信用できます。
ただアルファクラスでも算数が苦手な生徒にとっては、まずテキストをしっかり終わらせたいという気持ちになって当然です。独自問題は余裕のある時に気楽に取り組めば十分です。
テキスト通りではないので、決まった解き方を暗記して対応することはできません。一見どうやって解いてよいか分からない問題でも、『パターンを全て書き上げたり』『図を書いたり』『数字を当てはめて考えたり』して、自分で解き方自体を見つけることが大切です。難関中学の受験問題ではこうした能力が問われます。そのために「とにかく手を動かせ!」と指導する(時代遅れで熱血の)先生は、SAPIXに限らず今でも多いようです。
ただ手を動かしたくても、何をどう書けばよいか分からなくて、手が止まってしまうのは、(最初は)仕方ありません。『書き上げ方』『図の書き方』『試し方』にもコツやパターンというものがあり、普段から訓練していなければ、「何でもいいから書け!」と言われても書けないものです。特に算数に苦手意識があったり、テキスト通りに『正しい計算方法』で解かねばならないと思っている生徒は、フリーズしてしまいますし、先生に怒られたら余計に萎縮して書けなくなります。先生も何を書けばよいのか、きっかけを教えてあげればよいのです。
【まとめ】
- 独自問題はよい勉強になる
- テキストの理解が先
- 先生の言っていることは正しいが、やる気が行きすぎているかもしれない
- 『手を動かす』にもある程度のコツと訓練が必要